【新年インタビュー】倉敷化工岡田学社長
本社工場の機能強化と海外拠点の充実に取組む
工業用品 2017-01-17
■人財活力の向上
14年にグローバル人財育成プログラムの開発に着手し、新入社員から幹部社員までの教育プログラムを刷新しました。特徴的な取り組みといえるのが、将来の経営人財を育成する「経営トップシャドー制度」の導入です。これは45歳前後の社員を対象に社長補佐という立場で2カ月間、勉強してもらうという制度です。私と行動をともにしてもらい、さまざまなビジネスシーンにおいて「自分が社長だったらどう対処すべきだろうか」と考えてもらいます。毎日、その日考えたこと、気づいたことをレポートにまとめてもらいます。15年11月から開始し、これまで8人が体験しています。シャドー経験者には、将来、当社を担うような人財に成長して欲しいと思っています。
■自動車部品と産業機器事業
当社の事業は大きく自動車部品と産業機器の2事業に分けられます。その売上高比率は7対3です。経営の安定化のため、将来的には、産業機器事業を伸ばし、その比率を6対4にして、自動車への依存度を軽減しようと思っています。自動車部品は主にエンジンマウント、ゴムホース、ブッシュ類を生産・供給しています。
産業機器事業は、産業防振、建築防振、精密除振の3部門で製品展開しています。産業防振では、建設機械や一般工業用品の防振ゴムを建機メーカーや住宅メーカーなどに供給しています。
建築防振では、ビル配管用継ぎ手や免震積層ゴムを展開しています。当社の免震積層ゴムは日本銀行本店や地元の倉敷ケーブルテレビなどの建物に採用されています。また配管用継ぎ手である免震サプレックスは東京駅に採用されています。
精密除振では、リニア制御アクティブ除振台や空圧制御アクティブ除振台を展開しています。これは精密機械の精度や機能を守るため、地面や床面からの微振動を吸収する装置です。半導体製造・検査装置メーカーや電子顕微鏡メーカーなどに納入しています。
■今期(17年3月期)の業績見通し
単体売上高は前期比微増の278億円の見込みです。自動車部品事業は若干減収しますが、産業機器事業が増収する見通しです。グループ全体では440億円の見込みです。中国が好調で前期比1割増収する見込みです。現在海外売上高比率は3割程ですが、将来は5割まで拡大したいと思っています。
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