【特集】伝動ベルト
バンドー化学、世界最適生産体制構築へ
工業用品 2016-12-21
バンドー化学の17年3月期上期伝動ベルト製品の売上高は、前年同期比約7%減で推移した。国内での販売減に加え、海外では現地通貨ベースで増収となった地域もあったが、為替が前年同期に比べ円高となった影響が大きかった。
伝動ベルトのうち、自動車用は同約7%の減収。国内は軽自動車の不振や熊本地震の影響で、主要顧客の生産台数が減少した影響を受けた。一方、海外は中国が小型車減税措置の効果継続による自動車生産台数の増加で、補機駆動用伝動ベルトの販売が増加、タイでも自動車用ベルトの販売が伸びたが中国、タイともに円高の影響により、減収となった。インド、ベトナムでは、スクーター用変速ベルトが好調を維持した。
産業用は同約9%の減収。国内は設備投資の落ち込みに伴う産業機械の生産減により販売が減少。一方、海外は、円高の影響を受けたものの、中国で農機用が伸長した。タイ、ベトナム、インドでは顧客開拓を進めたことで、産業機械用、農機用の販売が増加した。
OA機器用は同約4%の減収。ペーパーレス化の流れの中で、OA機器メーカーが減産したことにより、販売が減少した。
通期見通しは「上期とほぼ同様の動きになる」(バンドー化学)。海外は為替の影響があるものの、引き続き順調に推移する見通し。また世界最適生産体制の構築に向けた取り組みにも注力する。
新製品では、国内初となる高弾性アラミド心線を採用した結合型細幅Vベルト「パワーエースアラミドコンボ」を開発。12月1日から発売している。同製品は、産業機械の大型化・高負荷化・コンパクト化に伴い、伝動ベルトに求められる長寿命化・高強度といった需要に対応したもの。高弾性アラミド心線を採用したことで寸法安定性や耐衝撃性を向上させており、耐熱性や導電性にも優れている。特長としては①新型タイバンド構造で剥離に強い②高弾性アラミド心線を採用したことで、従来品に比べ50%以上破断強度が高い③従来品に比べ40%以上伝動容量が高い④ARPM(RMA)に適合した導電性を有する―など。石油、ガス、砕石、林業などの分野で販売拡大を図る。
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