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発熱温度を低くし、フォーム内部温度を約12%低減

アキレス、「アキレスエアロン-R」のウレタン原液改良版を販売

工業用品 2020-01-20

 アキレスは1月20日から、トンネル補修工法「Tn-p工法」で覆工背面空洞への充填材として使用する硬質ポリウレタンフォーム「アキレスエアロン-R」のウレタン原液(SK-02:40倍発泡)を改良し、販売を開始した。

 トンネルの覆工背面にできた空洞を放置すると、トンネルが崩落する恐れがあり、大きな事故につながる可能性がある。特に、高度経済成長期に建設されたトンネルは、現在の工法とは異なる旧工法によるもので、覆工背面に空洞ができやすく、安全性が懸念されているものもある。トンネルだけでなく、橋や道路などインフラ構造物の老朽化対策や災害対策が大きな社会的課題となっている。  

 「Tn-p工法」とは、トンネルの覆工背面にできた空洞に「アキレスエアロン-R」のウレタン原液を注入して空洞内部で発泡・硬化させることにより、トンネルの損傷や災害による被害を未然に防ぐための補修技術(裏込注入工法)で、老朽化対策に有効な工法だ。従来の裏込注入工法はセメント系の注入材を使うため、1立方メートルあたり約1トンの重量があり、硬化にも時間を要する。対して「アキレスエアロン-R」は40倍発砲の場合、1立方メートルあたり約30キロと圧倒的に軽く、数分間で硬化する。短時間で施工でき、工事に必要な設備がコンパクトで多くの車両を必要としないことや、フロン類を一切使用せず環境にもやさしいことから近年、施工数が増加している。

 硬質ポリウレタンフォームは発泡・硬化する際に、反応熱によりウレタンの内部温度が高温になるため、大きな空洞に注入するときには注意を要する。同社は「アキレスエアロン-R」のウレタン原液(SK-02:40倍発泡)を改良して、発泡時の発熱温度を低くし、ウレタンフォームの内部温度を従来品より約12%低減した。新原液の導入により、ウレタン原液注入時の発煙等のリスクを軽減し、現場の安全性の向上に貢献する。

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