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建設機械の在庫調整が一段落

高圧ホースが回復傾向

工業用品 2016-10-24


 建設機械や工作機械に多く使用される高圧ホースの生産・出荷が回復基調にある。経済産業省統計をもとに日本ゴムホース工業会がまとめた8月の生産・出荷実績によると、生産量(新ゴム量)は2カ月連続、出荷金額は4カ月連続で増加している。長らく需要が低迷していた建設機械の在庫調整にめどが立ったことで、高圧ホースの需要不振も底を打ち徐々に回復しつつある。

鉱山需要も底打ったか

 8月の高圧ホース生産量は313トンで前年同月比12.6%増、出荷金額は12億9300万円で同10.8%増とともに2ケタ増となった。年間を通して生産・出荷が低調だった昨年との比較ということを差し引いても、ここ数カ月の動きは、高圧ホースの需要が回復傾向にあることを示している。

 高圧ホース回復の背景といえるのが、大口需要先である建設機械メーカーの在庫調整が一段落したこと。あるホースメーカーによると「建設機械は中国の景気減速や資源需要の低迷により長らく需要が落ち込んでいた。そのため多くの建機メーカーは在庫を抱えていたが、その在庫調整にめどが立ったようだ。今後は建機の需要に連動し、高圧ホースの生産・出荷も高まる」と予想している。

 8月の土木建設機械受注は前年同月比11.6%増と16カ月ぶりに増加した。それに伴い、高圧ホースの生産・出荷も2ケタ増加している。

 建設機械が使用される鉱山の動向について、鉱山向けにコンベヤベルトなどを供給しているブリヂストンの津谷正明取締役・代表執行役CEO兼取締役会長は、10月17日に開催された「2016中期経営計画」説明会の席上、「鉱山の需要は底を打ちつつあるか、打ったと認識している」と語った。今後、鉱山向け製品の動きも活発化しそうで、高圧ホースの需要がどこまで回復するのか、注目される。

ゴムホース生産5カ月ぶり増加

 経済産業省統計による8月のゴムホース生産量は2570トンで前年同月比5.5%増、出荷金額は99億7200万円で同5.7%増とともに5カ月ぶりに増加した。その他用ホースは生産量が522トンで同11.2%減、出荷金額が12億4900万円で同13.2%減となったものの、自動車用ホースは生産量が1735トンで同10.4%増、出荷金額が74億3000万円で同8.8%増、高圧ホースも生産量、出荷金額ともに増加したことで前年同月実績を上回った。

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