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【新年トップインタビュー】

キーパー社長由井弘行氏、「新技術棟を建設し開発力をさらに強化」

工業用品 2018-01-10


 ■収益向上と売上高拡大が課題
 オイルシールは非常に競争の激しい製品で、そのため製品単価も低く抑えられてきた。自動車メーカーからの性能に対する要求も厳しく、その結果、高品質で長寿命な製品が開発され補修需要もほとんどない。こうした利益を上げづらい製品を主力にしているため、当社は売上高に比べ利益率が低い。収益性を高めることが、当社の長年の経営課題になっている。

 また売上高の拡大も課題だ。当社は長い歴史の中で、まだ企業買収などM&Aを実施せず、本業のみに専心してきた。そのため売上規模が急拡大することもなかった。

 ここ数年、当社グループを上げて、売上拡大と収益性の向上に取り組んでいる。売上拡大に取り組みながら、できるだけ収益性の高い製品を売っていく。また原価低減を徹底し収益アップにつなげていく。リーマン・ショックでは、当社も大変な影響を受けたが、私自身が先頭に立ち原価低減に取り組み、何とか業績を回復させたという実績もある。今後も原価低減を継続していく。

 国内の生産と販売部門、また海外生産拠点が相互に連携、協力しながら、将来につながる事業拡大を目指していく。

 ■自動車EV化の影響と対応
 オイルシールはエンジンなどに多く使用されているので、自動車のEV化が進めば影響は必ず出る。しかし当社は、足回りやステアリング部品、駆動系部品のシールやブーツを主力にしているのでEV化の影響は比較的少ないと見ている。また、一挙にEV化する訳ではないので、それら製品を中心に顧客ニーズに応える提案で生き残りをはかりながら、その間に新製品・新技術の開発に取り組んでいく。

 また、自動車以外の鉄道車両や産業機械などで、さらに販売拡大をはかっていく。当社ではこれまで食品や医療分野などには展開していなかったが、こうした新規需要分野にも挑戦したい。最近は当社事業にあまり関連のないような展示会にも積極的に出展し、新分野開拓のための種まきをしてきた。こうした取り組みの成果で、これまで馴染みのなかった業種から引き合いが出始めている。

 ■人手不足
 当社は島根県に2工場と静岡県の御殿場に工場がある。島根県では、以前は働く場が少なかったこともあり優秀な人材が多く集まった。そのため、当社でも2工場を設け生産拠点としてきた。しかし最近では、工場進出する企業が増え、高齢化と若年人口の流出により、本当に人手確保が難しくなった。求人募集範囲を全国に拡大するなど、あらゆる対策を講じているが十分ではない。外国人労働者の採用も検討しているが、ゴム産業は外国人実習生を受け入れる対象業種に指定されていないので、それも難しい。当社でも人手確保の苦労が続きそうだ。

 ■新技術棟を建設
 本社敷地内に新技術棟を建設中で、今年2月に完成する予定。5階建てで、建築面積は約1,900㎡、延べ床面積は約6,000㎡となる。課題である、売上高拡大と収益向上に向けて、開発力をさらに強化していく必要がある。この技術棟はこうした将来の発展のための投資だ。

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