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【新年トップインタビュー】

キーパー社長由井弘行氏、「新技術棟を建設し開発力をさらに強化」

工業用品 2018-01-10


 「2016年あたりから仕事が増え、17年も堅調に推移した。17年は国内自動車台数が回復したことで、安定した1年だった」と語るキーパーの由井弘行社長。将来の発展のための布石として、技術開発の拠点となる新技術棟を建設中だ。課題である収益向上と売上高拡大に向けて、着実に歩みを進めている。

 ■上期(4-9月)業績
 上期は売上高が78億1,200万円で前年同期比5%増、経常利益は2億200万円でほぼ倍増となり、増収増益となった。これまで注力してきた製品の販売が伸びた。海外も好調で連結業績も増収増益だった。当社は自動車向けが主力で売上高の65%を占めている。上期は自動車は横ばいだったが、産業機械分野が好調で2ケタ増収となった。産業機械では、産業用ロボットや工作機械が好調だった。

 鉄道車両分野も好調だった。当社は創業108年になるが、もともと鉄道車両用ダストキーパーからスタートしており、鉄道車両用オイルシールでは業界トップだ。顧客であるJRは安全性を最重視しているので、製品寿命の前に定期的に交換するので補修需要も多い。17年は海外も伸びた。おそらく中国向けだと思うが特需もあり、鉄道車両用オイルシールが伸びた。オイルシールの中でも、鉄道車両用は要求品質・性能が非常に高く、高度な技術が必要で、こうしたノウハウを持っているのが当社の強みだ。

 ■下期および通期業績見通し
 下期も好調さを持続しており、上期並みで推移すると見込んでいる。通期業績は増収増益で、売上高は前期比4%増を見込んでいる。

 ■海外生産拠点の現況
 連結ベース海外売上高比率は20%ほどになる。従来に比べ海外比率は拡大しており、今後も拡大傾向にある。海外拠点では、アメリカとタイが主力で売上高比率が高い。アメリカは経済が好調なこともあり、安定成長を続けている。タイは国内景気はあまり良くないが、当社現地法人は日本からの案件のほか、現地の案件もあり好調だ。

 自動車メーカーからは、メキシコやロシアなどに進出して欲しいとの要請もあったが、進出する以上は利益を上げなければならないので、海外への新規進出については慎重に構えている。

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