5月22-24日の3日間、パシフィコ横浜で開催
人とくるまのテクノロジー展で見つけた注目のゴム関連商品
工業用品 2019-06-04
5月22-24日の3日間、人とくるまのテクノロジー展がパシフィコ横浜で開催された。28回目となる今回は、「新たな自動車技術が支える地域創生」をテーマに、過去最高となる624社の企業が出展した。
■キーパー
キーパーは開発中のゴムの電磁波シールド材を紹介。用途としては安全運転支援システムやETC電子料金収受システムなどが挙げられ、高い電界シールド特性を広帯域で実現できるのが特長だ。
現在、電磁波シールド材は樹脂やフィルムが主流だが、ゴムを使うことができればより厚く丈夫に、複雑な形状も容易になる。「ゴムを使うことができれば、コスト削減にもつながる。もっと開発を進めていきたい。共同開発も希望している」(キーパー)。
他にも同社では、従来のオイルシールに対し、約30%のフリクショントルク低減を実現した「低フリクションオイルシール」や、従来品に対し、約50倍の耐泥水性を実現した「耐泥水性向上オイルシール」も紹介した。
また、キーパーは製品表面の低摩擦化技術に注力している。ゴム製品としては、ゴムに自己潤滑成分を練り込み、成形後に自己潤滑成分が表面へ移行することで低摩擦が可能になる「ルブラバー」を実用化し、高評価を得ている。それに次いで、コーティング材として新たに、ゴム表面に後処理で非結晶の炭素膜を形成することで、滑り性および耐摩耗性を向上させる「DLCコーティング」や、ゴム表面にPTFEを含有したコーティング液を塗布することで、滑り性および耐摩耗性を向上させる「PTFEコーティング」を提案。「キーパーには、それぞれのゴムの用途によって使い分けできる技術がある。今後はコーティング技術に注力しつつグリースレス化を目指したい」(同)。
■NOK
NOKは、注目製品として低フリクション技術で地球環境に貢献する高機能ブランド「Le-μ’s(レミューズ)」を紹介した。
同ブランドは、シール性能を保持しつつ低フリクションを実現する高機能ブランドの総称。低フリクション技術により、駆動力損失を低減し、低燃費や低電費化に貢献する。新たなラインアップとして「シールリング」「SP処理Oリング」「回転・揺動用ロッドシール」が追加された。
今後の展開について同社は「シリーズをこれからもっと増やしていく。すでに出ている製品もそれぞれ機能を高めていきたい」としている。
■高分子計器
高分子計器は、参考出品として、現在開発中の新型デジタルゴム硬度計DD5シリーズを展示。既存のDD4シリーズから、ピーク値とタイマー値の一括表示が可能になった。また、外部出力も可能になるなど、機能向上を図っている。実用化に向けては「発売時期、価格ともに未定だが、必ず製品化したいと考えている」(高分子計器)。
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