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【特集】伝動ベルト

2017年の伝動ベルト、自動車は若干減、一般産業用は堅調

工業用品 2017-12-12

 17年の伝動ベルトの国内生産は、日本ベルト工業会の需要予測によると1万1,817トンで、前年比横ばいの見込みだ。自動車用の需要が若干減少していて、その影響を受けた。一方、一般産業用は堅調で、半導体、射出成形機、工作機械、産業用ロボット向けなどで需要が増加している。

 日本ベルト工業会まとめによる1-10月の伝動ベルト生産量は、9,976トンで前年同期比1%増。歯付ベルトは同1%減、その他ベルトは同2%減とともに減少したが、Vベルトは同2%増と前年同期実績を僅かに上回った。

 Vベルトは、約半数を占める自動車用が減少。自動車用は東南アジアや北米などグローバルでは伸びているが、国内生産は減少傾向にある。国内自動車生産台数の頭打ち、ベルトを使用しないハイブリッド車の販売の拡大や電動化の動き、自動車メーカーのグローバル化に伴うベルトメーカーの海外生産シフトなどが影響している。

 一般産業用は、半導体、工作機械、射出成形機向けなどが好調。人手不足による生産ラインの自動化・省人化で産業用ロボット向けも伸びている。

 各社の業績を見ると、バンドー化学は自動車用、一般産業用とも、この第2四半期は増収した。ともにアジア・欧米で伸びている。三ツ星ベルトも第2四半期は自動車・一般とも増収した。ゲイツ・ユニッタ・アジアの17年12月期国内一般産業用は2ケタ増収の見通し。主力の半導体が好調で販売が拡大している。

 今年は原材料高を背景に、バンドー化学が10月、三ツ星ベルトが11月、ニッタが12月から、伝動ベルト、伝動搬送平ベルトの値上げを打ち出した。値上げ幅は10%で、各社とも値上げ浸透に努めている。下期業績には、値上げの成果があらわれるだろう。

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