【特集】伝動ベルト
バンドー化学、自動車・産業用ともアジアが好調
工業用品 2017-12-12
バンドー化学の上期(4-9月)の伝動ベルト部門売上高は、前年同期比5%増。
自動車用ベルトは、国内では、自動車生産台数が前年を上回ったものの、顧客の海外現地調達化などもあり売上高が減少。海外では、アジア地域が特に好調で売上高が同16%増加した。中国は主要顧客の販売減が影響し減収となった。アジア地域は、タイ、ベトナム、インドでスクーター用変速ベルトが増加。タイは補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品も増加した。
産業用ベルトは、国内は民間設備投資の活況により、射出成形機向けなど一般産業機械用伝動ベルトとプーリが増加した。海外はタイ、ベトナムや欧州地域で農業機械用や産業機械用の売上高が増加した。特に販売強化に努めたアジア地域が好調で、前年同期に比べ49%増収した。一方、中国は、昨年発生した水害の影響などもあり、農業機械用の販売が減少した。
精密機械用ベルトは、インクジェットプリンターや金融端末機器向け需要が旺盛で2ケタ増収となった。
伝動ベルト部門の下期売上高は上期並みに推移する見通しで、通期売上高は前期比1ケタ台半ばの増収を見込んでいる。
通期業績目標の達成に向けて、同社では地域別市場戦略をさらに強化していく。地域ごとに需要分野別のターゲットを絞り込み、製品説明会や講習会を実施し需要の掘り起こしをはかる。
そのほか総合ベルトメーカーの強みを活かし「Vベルト、歯付ベルト、搬送ベルトを連動させ、工場設備のすべてをカバーする“オールバンドー”での製品提案も行っていく」(同社)。
上期不振だった中国市場への展開に関しては、自動車用については、高品質の自動車生産を目指す現地ローカルメーカーへの販売拡大を進める。産業用については、「これまでは、やや農機用途に偏っていたが、一般産業や工作機械向けなども強化し、販路の多角化をはかっていく。また日系メーカーだけでなく、高品質・高性能な製品を求めるローカルメーカーへの販売も伸ばしていく」(同)。
中国市場への展開には、上海技術センターを活用し、情報収集や市場分析を行い、現地ニーズにマッチした製品提案によって販売拡大していく。
注力製品は「Ceptorシリーズ」の最上級グレードとして、高トルク伝動を実現した高負荷対応の歯付ベルト「Ceptor-Ⅹ」や、高弾性アラミド心線を採用した結合型細幅Vベルト「パワーエース アラミドコンボ」。いずれの製品も従来品に改良を加えた高付加価値製品で、従来品では対応が難しかった用途へも販売拡大していく方針。
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