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【特集】伝動ベルト

三ツ星ベルト、ロボット、射出成形機など好調

工業用品 2017-12-12

eーPOWER


 三ツ星ベルトの上期(4-9月)ベルト部門売上高は308億200万円で前年同期比7.9%増だった。このうち自動車用ベルトは151億3,100万円で同7.1%増、一般産業用ベルトは108億1,900万円で同10.5%増、OA機器用ベルトは15億2,700万円で同5.1%増だった。

 一般産業用ベルトの国内売上高は前年同期比微増。好調だったのはロボット、工作機械、射出成形機向け。この分野は前年同期比2ケタ増収だった。一方で農業機械向けは補修用が不振。OA機器向けも国内市場は低調だった。

 「産業用ロボットは人手不足で生産台数が増えている。日本が得意とする分野で、2030年には生産台数が現在の5倍になるとの試算もある。今後成長が見込める需要分野として、販売を強化していく」(同社)

 射出成形機の生産も好調で、小型・中型・大型ともそれぞれ生産台数が増加している。射出成形機には比較的大型のベルト・プーリが使用されるため増収に貢献している。しかし「射出成形機は中国への依存度が高い産業なので、先行きは不透明」としている。

 工作機械も生産が好調で、ベルト・プーリ需要が旺盛だった。「工作機械には、かつてはベルト・プーリが多く使用されていたが、最近はモーター駆動が増え、ベルトの使用が減っているのが懸念される」(同)という。

 農業機械用ベルトはライン組み立て用は好調だったが、補修用は低調だった。「農業機械用ベルトは、米価によって需要が左右されるので、先行きが不透明」(同)としている。

 OA機器用に関しては、「世界的にOA機器は飽和状態にあり、現状維持が精一杯で、今後市場が大きく成長するのは難しい。しかしベルトにとっては重要な市場なので注力していく」(同)。

 製品面で見ると、今期販売が好調だったのが省エネVベルト「e-POWER」。定番的な付加価値製品として安定した需要があるが、ここに来て販売が顕著に伸びているという。

 一般産業用ベルトの下期見通しは、ロボット、工作機械、射出成形機は旺盛な需要が継続すると予想。「上期よりも若干増収する見通しで、通期では前期比1ケタ台半ばの増収を見込んでいる」(同)。

 11月1日出荷分から実施した伝動ベルトの値上げは、「8月お盆明けの発表から値上げ実施まで2カ月ほど期間があったので、思っていたよりも浸透が早い」(同)としている。

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