福和ゴム商事(東京都荒川区、山口悌雄社長)は、スリップ性や槢動性など、ゴムに滑る機能を付加したゴムコンパウンド「スリップラバー」を開発し、本格展開を開始した。

 ゴムにスリップ性や槢動性といった機能を付与する場合、加工後に機能を付加する後加工が主流だった。しかし、後加工の場合は、均一に機能を付与することが難しかったり、時間が経過すると効果が減退するなどの課題もあった。こうした課題を解決するために開発されたのが「スリップラバー」だ。

 同製品は、加硫成型後に薄いゴムシートなどの製品同士が張り付くことを低減したり、ゴム製品を他の部位に取り付ける際に、滑ることで容易に取り付けられたり、さまざまな作業工程における課題解決に貢献する。なお、同製品はシリコーンゴムを除くすべてのゴムにおいて効果が確認されている。シリコーンゴムでは、成分のシロキサンが阻害し接触不良などが発生する懸念があるとしている。

 「スリップラバー」は、後加工ではなくゴムコンパウンド配合に練り込み混練(A練り)することが特徴の一つとなっている。この混練工程には、福和ゴム商事および関連会社であるゴム精練メーカーの宝来ゴム加工が、長年培ってきたゴム混練技術やノウハウが活用されている。ゴムと一緒に混練することで分散性に優れ、製品表面全体に均一に機能を付与することを可能にした。また、後加工の工程を必要としないため、作業効率の向上にも貢献する。

 「スリップラバー」の性能としては、既存のゴムと比較して摩擦係数が2.5倍以上向上、つまり2.5倍以上も滑り効果が発揮されることになる。さらに、引張強さや伸び、硬度、圧縮永久歪みなどの数値は、既存のゴムから下がることはない。これらの性能は、二次加硫後でも効果が継続される。

 さらにB練りの場合も、後添加が可能なため、顧客からの支給コンパウンドでも対応できる。また、PFASフリーおよびシリコーンフリーのため、環境汚染などの心配がなく、さまざまな用途での使用が可能だ。

 福和ゴム商事では、「スリップラバー」の販売に関して、10キログラム程度の小ロットから対応可能な体制を構築しており、年間100トン前後を目標に拡販を図っている。すでに大手パッキンメーカーなど工業用ゴム製品メーカーを中心に販売実績があり、高評価を得ている。

 問い合わせは、福和ゴム商事(東京都荒川区南千住3-12-2、電話=03・3806・5811、またはnonaka@fukuwa-rb.co.jp営業部野中拓郎氏)まで。