横浜ゴム、筑波大学、科学技術振興機構(JST)は、ゴム材料の内部におけるナノスケール構造を鮮明に可視化する新たな画像処理手法を開発した。

 従来の電子顕微鏡画像ではノイズが多くゴム内部の輪郭が不明瞭だったが、同手法により、網目状の分子ネットワーク構造を明瞭に捉え、さらに内部構造に関わる因子を数値化することに成功した。

 ゴムは柔らかく伸びやすいという特徴的な物性を持つため、タイヤから医用材料に至るまで幅広く使用されている。ゴムの内部には、分子同士の結合による複雑な構造が形成されており、これがゴム材料の物性に大きな影響を与えることが知られているが、従来の電子顕微鏡画像は輪郭が不明瞭なため、ゴムの内部構造を精度良く分析することが困難だった。

 同研究では、ゴムの内部構造を撮影した電子顕微鏡画像に対して、ゴム分子がネットワーク状に凝集する領域のみを強調する画像処理手法を開発。ゴム材料に関する知見と数理的手法を組み合わせた新たな画像処理技術により、ノイズが多く輪郭が不明瞭な電子顕微鏡画像からでも、ゴム内部のネットワーク構造をナノスケールで明瞭に捉えることができる。

 従来、電子顕微鏡画像からゴムの内部構造を解析するには、解析対象のネットワーク領域を手動で設定する必要があったが、同手法では自動で算出できるため、恣意性を排除しつつ、多数のサンプルを同時に解析することが可能となった。同手法を用いて各サンプルにデータ処理を施し、ゴムの物性に関わる因子となるネットワークの長さを算出したところ、実験値と高い相関を示し、同手法の妥当性が確認できた。

 同手法の活用により、安全性や経済性に優れ、さらに省資源や省エネルギーなど社会課題の解決に貢献する高性能なゴム材料の開発が期待できる。