【特集】ゴム・樹脂ホース
十川ゴム、17年度上期 土木・建設機械用など好調
工業用品 2017-12-19
十川ゴムの17年度上期(4-9月)のホース事業は、前年同期比ほぼ計画通りで推移した。油圧機器産業用、土木・建設機械産業用、船舶・車両産業用、食品機械産業用などの需要は好調だったが、コア事業のエネルギー産業用、特にガス用ホースは減少した。
ガス用ホースの減少は住環境などの変化によるもので、今後も減少傾向が続くことが見込まれている。同社では「好調な分野についても製品の変遷は不可欠なため、減少する品目を上回る新規立ち上がり製品の確保が必要」として、すぐに販売に繋がる新たな開発製品や将来を見越した要素技術研究の推進に注力する方針だ。
製品開発としては、サンクイックホースに耐摩耗用の75A(4MPa)を新たに追加。大都市部での掘削工事におけるコンパクトな曲げ性能、配管の大口径化、吐出圧力の上昇といった要求に対応したもので、セメントや土砂、鉄鉱石、穀物などの搬送に適している。納期の迅速化対応のため、現状ある150A、200Aと同様に金具内筒拡大方式で設計している。
また建設機械、産業エンジンにおけるオイルリモート配管およびオイルクーラー配管での100℃以上の高温油領域(最高150℃)に対応する高温油用ホースHKシリーズでは、油圧ハイドロリックホースシリーズとしてラインアップを追加。それにより、120℃レベルでの長寿命化を実現している。
そのほか、温度に応じ、色が変化することで温度の視認を可能にする示温材を用いた用途開発や、今後需要拡大が見込まれる家庭用燃料電池やEV関連部品についても、材料・形状の提案を行っていく。
一方、研究においては、カバーゴムのすべり性を改善したホース外面の耐摩耗性向上のための配合や自動車配管用の高耐熱ホース、各国の透過規制に対応したホースの実績を活かした海外認証燃料ホースなどを対象に進めている。
製品開発に対しては、これまでのノウハウや新技術の複合化に加え、ユーザーの要望や現場状況に密着したもの造りを心掛けるとともに、レスポンスの向上にも取り組んでいく方針だ。
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