【特集】合成ゴム
昭和電工、水系ラテックスグレードに注力
原材料 2017-12-07
昭和電工の足元のクロロプレンゴム(CR)事業はフル生産、フル販売の状況が継続している。CRが世界的に需給タイトな状況の中で、同社も「新規の需要に対してだけでなく、既存のユーザーの増量要求にも対応することが難しい。海外を中心に既存顧客にも出荷を抑制し始めている」(片山知樹基礎化学品事業部有機製品部エラストマーグループグループリーダー)という。一方で、増強については「コストと将来的な需要を勘案すると、難しいのが現状だ。優先順位としてはボトルネック解消や設備改善だけでなく、グレード集約なども進めるしかない」(同)。
需給タイトな状況は、継続するとみている。「中国メーカーの新プラントが立ち上がれば、グローバルのバランスは多少改善すると思うが、その時期は定かではない。また、中国メーカーが立ち上がったからといっても、品質差などの観点から短期的に需給が緩和することを期待するのは難しい。タイトな状況は続きそうだ」(同)。
そうした状況の中、注力しているのが水系ラテックスグレードと米国向けのドライグレード。同社の水系ラテックスグレードは手袋用途でシェアが高い。手袋はたんぱく質や加硫促進剤によるアレルギーの点から、CRラテックスへの置き換えが進んでおり、今後の需要増加も期待されている。一方、米国については、以前にデュポンが生産していたネオプレンと同等グレードを有している強みがある。「米国ではBCPの観点から2社購買が進んでおり、そうした面からも当社CRへの引き合いは高い。米国では、当社のCRがまだ知られていない部分もあるので、今後も引き合いは続くと思う。現状は供給能力の面でお断りせざるを得ない案件もあるのが残念だ」(同)。
塩素化ポリエチレン(CPE)の販売も順調。「ニッチな用途に対し、コンパウンドを含め開発品で取り組んでいる。稼働率も高く、国内需要でほとんどまかなえている」(同)。
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