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多様な人材の力を最適解に。コーヒー通じ価値届ける

三洋貿易が障がい者雇用で新たな取り組み

商社 New! 2026-07-06

 三洋貿易は6月22日、本社(東京都千代田区)で、障がい者雇用の新たな取り組みに関する説明会と社員向けイベント「多様な個性や強みを持つ社員との協奏プログラム~ノベルティコーヒーのできるまで~」を開催した。

イベントの様子


 2026年7月には「障害者雇用促進法」の改正により、民間企業の法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、義務対象となる企業も拡大される。障がい者雇用への関心が高まる中、三洋貿易では雇用そのものを目的とするのではなく、価値創造に繋げる独自の取り組みを進めている。

 同社は今年1月から障がい者雇用を本格化。現在は「ダイバーズヴィレッジ牛久」(茨城県牛久市)にて、3人の社員がコーヒー豆の選定や焙煎、パッキングなどを行っている。同社ではこれらの社員を「クラフトメンバー」と呼び、多様な個性や強みを持つ仲間として位置付けている。

 ダイバーズヴィレッジ牛久は、牛久市と障がい者雇用支援を手掛けるスタートラインの連携により設立された施設。企業が雇用した障がい者が働く環境を提供するほか、スタートラインの常駐スタッフによる支援体制も整備されている。

 同プロジェクトでは、クラフトメンバーが製造したコーヒーを営業社員が顧客へ届ける。営業活動を通じてコーヒーだけでなく、商品に込められたストーリーや同社の企業姿勢も共有することで、社員一人ひとりが価値創造に関わる仕組みとしている。

新谷社長


 説明会の冒頭で新谷正伸社長は、「障がい者雇用の新しい形として『活躍の場を提供する』という考えのもと3人の社員を採用した。社員がどのような立場であっても自ら価値を創造できることは、当社の経営理念『最適解の提供』を体現するものだ」と述べた。また、「3人が一生懸命に作り上げたコーヒーを社員やお客様に提供できることは、新しい形の価値提供と言える。社員が立場に関わらず価値を提供できることは本当に素晴らしいことだ」と語った。

和田執行役員


 続いて登壇した和田久美子執行役員人事部管掌兼企業文化・コンプライアンス推進室長は、「決して最高のコーヒーを売ることや提供すること自体が目的ではない。人の可能性をどうすれば価値に変えられるかを探り続けた結果、コーヒーという形が最適解になった」と説明した。さらに同社の障がい者雇用ポリシーとして「人の力を、最適解に変える」を掲げていることを紹介。「できる・できないで捉えるのではなく、共に価値を生み出す仲間として位置付けている。働くことそのものが価値創出に繋がるよう仕組みとして設計している」(和田執行役員)と述べた。

 質疑応答では、障がい者雇用支援を行うスタートラインと連携した経緯についても説明。同社では従来から多様な人材が活躍できる働き方を模索しており、「本当に価値を創造できる仕組み」を求めて検討を重ねた結果、スタートラインが提供するサテライトオフィス型の就業環境に共感し、採用に至ったという。新谷社長は、「当社の目的は単に障がい者の採用人数を増やすことではなく、事業と福祉の間にある壁をできる限りなくしたいと考えていた」と強調した。

クラフトメンバーによるノベルティコーヒー


 説明会後に開催された社員向けイベントでは、コーヒー豆の展示や、欠点豆(割れたもの、虫食い、変色など)探し、豆挽き体験、オリジナルブレンドづくりなどを通じて、クラフトメンバーが日頃携わるコーヒーづくりへの理解を深めるとともに、多様な人材が価値を創出する取り組みへの理解促進を図った。最後にはクラフトメンバーがコーヒーのドリップ方法を説明し、参加者自らが実践し試飲するなど、社員同士が交流する様子も見られた。

 同社では今後も取り組みを継続し、多様な人材が価値を生み出し続けられる環境づくりを進めていく考えだ。

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