【特集】ゴム企業の環境活動・環境対応製品
住友ゴム工業、植樹活動順調、森林整備の段階へ
タイヤ 2017-07-06
住友ゴム工業は、昨年、ISO14001が2015年版へ改定されたのに合わせ環境方針を改定した。数値目標を明確化し、環境改善の取り組みの見える化をはかり、CO2削減や生物多様性に配慮する活動をさらに強化している。
同社の環境活動で特に注目されるのが活発な緑化活動だ。創業100周年を機に2009年から本格的に取り組み始めた植樹活動については、「植樹活動が順調に進んでおり、現在は成長した樹木の整備に力を入れている。年々育っていく様子を楽しみに多くの社員とその家族が参加している」(北条敏明CSR推進室室長)。当初植えた木は、すでに7-8メートルにまで成長している。それを間伐し、その間に中低木を植えることで、森林としての本来の姿に整備していくという活動段階に入っている。
海外では「100万本の郷土の森づくりプロジェクト」を展開。09年から20年間で世界に100万本を植樹するという計画だったが、すでに達成したため、新たに200万本を目標に活動している。16年末で植樹本数は166万本に達している。
日本ユネスコ協会連盟と協働で推進している「チームエナセーブ未来プロジェクト」では、ユネスコ協会が認定する未来遺産を守る活動を行っている。これは「100年後の子供たちのために自然環境や文化を保護したい」という思いから企画されたもので、清掃、田植え、稲刈りなどを同社グループ従業員が中心になって行う。活動開始から5年目の今年は、全国9カ所で活動する予定。今年、新たに加わったのは愛知県にある“海上(かいしょ)の森”で、名古屋地区の事業所が中心になって活動していく予定。
環境貢献活動の新たな取り組みとして昨年度から実施しているのが水資源の保全活動。2050年までに国内外のすべての工場で、工場排水の100%リサイクルの達成を目指している。社内に推進チームを設けて、水質の測定技術やリサイクルコストをいかに低減するか、という点も含め、取り組みを強化している。
同社は2009年から、社会貢献活動を表彰する制度を設けている。毎年、個人と職場単位で表彰している。「これまでに、人命救助や献血活動などの社会貢献や、長年にわたる環境活動などを表彰し、国内の個人・職場だけでなく海外の事業所も対象としている」(同)。
環境配慮商品の開発については、低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズを中心に進めている。注目されるのが低燃費性能に加え、ロングライフを実現した新製品の開発。「エナセーブNEXTⅡ」は、ウエットグリップ性能最高グレードの「AAA-a」に加え、ライフ性能1.5倍以上(エナセーブNEXT比)を実現している。「エナセーブSP LT50」は、転がり抵抗性能を9%低減(SP LT 33比)し、ライフ性能1.4倍以上(エナセーブSP LT 38比)を実現している。
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