高減衰ゴムによる高性能を継承、スリム化により木造住宅の設計自由度を向上
住友ゴム工業、コンパクト住宅需要の拡大に対応、住宅用制震ダンパー「MIRAIE S」を発表
工業用品 2026-04-15
住友ゴム工業は、住宅用制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」シリーズの新製品「MIRAIE S(ミライエ エス)」を2026年夏以降順次発売する。

建築基準法改正により木造住宅の設計要件が厳格化しており、さらに都市部で増加するコンパクト住宅への対応が制震ダンパーにも求められている。「MIRAIE S」は、独自の高減衰ゴムを活かした高い制震性能を維持しつつ、本体のスリム化により限られた空間でも導入しやすい設計を実現した。
平成28年熊本地震で観測された地震波震度7相当の加振に10回耐える制震性能が実証されており、同社が培ってきた制震技術と実績を背景に、今後の多様な住宅ニーズに応える製品として展開していく。
制震ダンパーは、地震時の揺れを吸収し、建物の揺れ幅を抑えることで、住まいへのダメージ軽減を図る建築用部材。同社は、2012年から2024年までの累計で、国内の新築木造戸建て住宅用制震ダンパー供給実績No.1企業。2012年に発売した「MIRAIE」シリーズは、平成28年熊本地震(2016年)や令和6年能登半島地震(2024年)において全壊・半壊ゼロの実績がある。
2025年4月施行の建築基準法・関連基準の見直しに伴い、木造住宅では構造面も含めた設計上の配慮がこれまで以上に重要になっている。また、必要壁量の増加や省エネ化に伴う重量化への対応も求められている。さらに、住宅取得価格の高騰などを背景に、都市部を中心にコンパクト住宅が増加しており、こうした住宅では、限られた空間の中で壁量を確保しながら制震ダンパーを取り入れやすくすることが課題となっていた。こうした状況を受け、耐力壁と併用可能な制震ダンパーを望む声も多く寄せられていたことから、「MIRAIE S」を開発した。
今回発表した「MIRAIE S」は、MIRAIEシリーズとして7年ぶりとなる4つ目の製品。同社は1985年に高減衰ゴム材料の開発を開始し、2012年に初代「MIRAIE」、2013年に「MIRAIE 2×4」、2018年に「MIRAIEΣ」を発売してきた。
「MIRAIE S」は、これらのシリーズで培ってきた制震技術をベースに、設計条件に制約がある場合でも設置しやすい仕様を実現した点が大きな特長。高い制震性能を維持しながら、設計性・施工性の向上を図った新製品として位置づけている。
■「MIRAIE S」の特長
◇多様な住宅条件に対応しやすい=高減衰ゴムを2面から1面に変更し、さらに本体設計の工夫をしたことで、スリム化を実現。これにより、建物の強度を保つうえで重要な耐力壁や、柱脚を固定するホールダウン金物との併用が可能になった。限られた空間の中で壁量を確保する必要がある住宅でも設置しやすくなり、コンパクト住宅を含む多様な住宅条件への対応力が向上している。
◇高い制震性能を追求=「MIRAIE S」は、基礎と強固に結合させる基礎緊結方式を採用するとともに、自動車のレース用タイヤで培った独自技術から生まれた高減衰ゴムにより、高い制震性能を発揮。高減衰ゴムは、特殊な配合により運動エネルギーを瞬時に熱エネルギーに変換して吸収し、繰り返し伸び縮みできるゴム本来の特性を生かすことで、高いエネルギー吸収性能を持続する。さらに、地震の力を効率よく逃す三角構造により、繰り返し発生する地震にも配慮した設計としている。
◇施工性を向上=「MIRAIE S」は、従来品より重心を低くしたことで施工時の扱いやすさが向上し、施工現場での負担軽減にも配慮しました。これにより、よりスムーズな施工が可能になる。
◇実績あるMIRAIEシリーズの信頼性を継承=「MIRAIE S」は、高い販売実績や豊富な成果事例を有するMIRAIEシリーズの信頼性を継承。シリーズは、高い制震性能や優れた耐久性、導入しやすさへの配慮、販売・設計サポート体制の充実などを通じて、確かな信頼を築いてきた。高減衰ゴムを用いた独自の制震技術は、戸建て住宅に加え、高層ビル、歴史的建造物、大型橋梁ケーブルなど、幅広い分野で活用されている。
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