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2025年 年頭のあいさつ

日本自動車タイヤ協会 山本 悟会長、安全と環境を高次元で両立させたタイヤの供給を目指す

タイヤ 2025-01-06

 2020年に世界的な感染の拡大を見せた新型コロナウイルス感染症への対応は、今ではほぼ日常生活の中に溶け込んだように思える。人々の移動をともなう活動も大きく回復し、訪日外国人旅行者数は過去最速で3,000万人を突破している。この勢いが続く2024年は2019年を上回り過去最高を記録すると予想される状況となっている。留意すべき点は多々あるものの、社会は危機を乗り切ったといっていいのではないだろうか。

 一方で、2022年2月の勃発から3年が過ぎようとしているロシアによるウクライナ侵攻やイスラム組織ハマスによるイスラエル襲撃に端を発した両者間の紛争激化、つい最近のシリア・アサド政権の崩壊、加えてトランプ新政権の誕生。これらの事により世界はさらに不安定化に向かうのか、それとも紛争の解決に向かうのか、全く予断を許さない状況だ。

 先の見通せない不安定な世にあっても、人々の営みは絶えることなく続く。こうした営みの中には、経済活動も含まれる。我々は、自動車タイヤの供給という経済活動を通じて、人々の営みの中でも強く希求される「モビリティ」の実現に貢献している。自動車はモビリティの主役であり、自動車タイヤはこれを支える最重要な商品の一つだ。自動車が社会的、技術的にどのような変革の波に洗われようとも、タイヤのこの位置付けが変わることはない。

 同時に、自動車タイヤの供給という我々の活動の達成すべき目標が「安全」と「環境」であることも変わらない。電動化をはじめとした自動車の技術進化の中でより高度な安全をいかに実現するか、これは我々にとって永遠の課題だ。また社会は、人々の営みの全ての側面においてサステナビリティを求める。自動車タイヤの供給という活動においても、全く同様だ。社会が求める安全と環境を高い次元で両立させて実現する、これこそが我々が求めてやまない世に提供すべき普遍的な価値だ。

 当会は、この普遍的な価値の提供を通し、グローバルなモビリティの発展に貢献していきたいと願っている。2025年においても、山積する課題の解決に向けて着実に歩みを進めていく。

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