追加センサ不要で低コストを実現
住友ゴム工業、タイヤセンシング技術を開発
タイヤ 2017-05-23
住友ゴム工業は、路面の滑りやすさやタイヤにかかる荷重などの情報を検知するタイヤセンシング技術「SENSING CORE」を開発、5月16日に日本自動車研究所(JARI)城里テストセンターで技術説明会を開催した。
同社はタイヤの回転により発生する車輪速信号を解析することでタイヤの空気圧低下を検知し、ドライバーに知らせるタイヤ空気圧低下警報装置「DWS(Deflation Warning System)」を実用化し、これまで2,500万台に純正採用されている。「SENSING CORE」は、このDWSで培った技術をベースにし、それをさらに進化、発展させて開発したもの。センサなどのハードウェアを新たに追加する必要がなく、既存の車輪速信号を使ってソフトウェアで検知するため、メンテナンスフリーで低コスト化を図ることができる。
競合他社が開発したタイヤセンシング技術は、たとえば空気圧検知に関しては、タイヤバルブなどに圧力センサを内蔵する必要があるが、「SENSING CORE」では、それが不要だ。
「SENSING CORE」で検知できるのは路面の滑りやすさや荷重。滑りやすさについては、車体の速度とタイヤ回転速度の差を解析することで路面の滑りやすさを検知し、「まだ普通に走行している段階でドライバーに警告することができる」(同社)ため、スリップ事故を未然に防ぐことができる。荷重については、路面に接地している時点と、接地していない時点でのタイヤ半径の差異から生じるタイヤの振動を解析し、走行時の荷重の変化を検知する。車両総重量のほか4輪それぞれのタイヤにかかる荷重を検知することができる。
技術説明会では、ウェット路面やコンクリート路などで実車を走行させて、その解析データを検証した。
「SENSING CORE」の実用化については、2020年の新車搭載を目指し、さらに進化させていく。将来的には補修市場への参入も視野に入れている。
技術説明会で同社の吉岡哲彦執行役員オートモーティブシステム事業部長は「自動運転技術の開発が活発化しているが、当社ではDWSを進化させタイヤ1輪にかかる荷重をリアルタイムで検知できるタイヤセンシング技術を活用することで、自動車技術の進化に少しでも貢献していきたいと考えている。今後、この技術の用途開拓を進めていきたい」とあいさつした。
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