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CRITERIONで基幹商品を補強

【新社長インタビュー】横浜ゴムMBジャパン社長細田浩之氏、成長を軌道に乗せることが役割

工業用品 2017-05-23

 
 3月30日付で横浜ゴムMBジャパンの社長に就任した細田浩之氏。横浜ゴムでは技術畑の経験を生かし、ハマタイト技術部長や電材開発部長、ハマタイト・電材事業部長などを歴任し、ハマタイトや電材事業の拡大に注力してきた。「成長を軌道に乗せることが私の役割。そのためには基幹商品を補強する商品群である自社ブランドをさらに増やすこと。そして仕事の生産性をもっと上げていくことが重要になる。幸い強い代理店網を有しているので、このネットワークを大切にしていく」と語る。

 ■社長就任の抱負
 当社は、横浜ゴムのタイヤとゴルフ以外を担うMB事業の中で規模が最も大きい販売系子会社だ。横浜ゴムのMB事業は、2020年に売上高2,000億円を目指しており、当社もこれに同調して成長が一番の課題になる。社長として成長を軌道に乗せることが私の役割と考えている。

 ■成長に向けて
 当社は、全国に7つのカンパニーがある。成長のためには、その地域ごとの戦略が重要になっている。どの地域で、どのような需要があるのか、それを分析した上で、地域ごとに人、資源などメリハリをつけて投入していくことを実施しなければならない。当社の強みの一つは、強い代理店網を有していること。このネットワークを大切にし、お互い議論を重ね、一緒になって様々な企画をしていくことは代理店の皆様も望むはずだ。当社の基幹商品であるコンベヤベルトや油圧ホース、建築材料を拡大していくには、商品そのものに加え、これらを補強する商品群が必要となる。横浜ゴムのMB部門の生産品にないのであれば、当社が独自に企画立案し、そして揃えていきたいと思う。すでに当社ではCRITERION(クライテリオン)という、オリジナルブランドを展開しているが、これを拡げていくことで実現したい。スピード重視で付属商品を拡大していく考え方が必要になる。CRITERIONからは、今年中にビルなどの屋上で使用する特化則タイプの防水材を、また道路ジョイント関連でも補修市場に向けて付属商品を出す予定だ。

 ■横浜ゴムMBジャパンの経営課題
 当社は設立7年になる。効率化を進めることで利益面は上がっている一方で、成長できているかと言えば、決してそうとは言えない。今後の成長のために仕事の生産性を上げていく、それが課題と認識している。人の活性化も図っていきたい。例えば地域限定で働く地域営業職を設けたり、女性の営業職を増やすための手立てを検討したい。当社には約500人の従業員がいる。従業員が働きやすい環境を常に考えていくことも自分の使命と思う。

 ■今後の経営環境
 基幹商品であるコンベヤベルトや油圧ホース、建築材料の需要先の動向は、建機や粗鋼生産については2020年まで右肩上がりの一方、住宅は下がるとみている。需要が上がったり、下がったりする不透明な環境だが、シェアにはこだわっていく。成長路線ありきの前提で、そのためにはどのような組織が必要かを、1年をかけて考えていく予定だ。基幹商品であるコンベヤベルトと油圧ホースは、もっと強いものにしていかなければならない。商品力を強化するためにも、特徴ある製品を開発していくことが重要で、MB部門の事業部とは会話を強化していきたい。国内マーケティングは私達販売会社の役割になる。

 ■今年度の事業計画と業績見通し
 足元は順調に推移しており、上期(1-6月)は計画通りに推移するとみている。2016年の業績は2期連続の減収だったが、横浜ゴムMBジャパンとなった7年の中で利益は一番高かった。足元ではシェアを落としている商品、地域があるが、足りないものを揃え、かつ総合力を発揮して挽回していく。今年は横浜ゴムが創業100周年を迎える。2017年は、当社にとって先を見据えた中での一年となるが、それでも横浜ゴム100周年に対し、当社としても過去最高の業績で応え、祝いたいと考えている。

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