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アグレッシブな見た目に加え、オールテレーンの名に相応しいオンロード、オフロード性能

横浜ゴム、スタンダードオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T4」

タイヤ 2024-05-07

 横浜ゴムが、5月から全世界で発売するSUV・ピックアップトラック用のスタンダードオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)A/T4」。1996年に誕生し、「GEOLANDAR」の中核である「GEOLANDAR A/T」の第4世代で、「GEOLANDAR A/T G015」の後継モデル。7月までにLTサイズを含め合計31サイズを発売し、以降も順次サイズ拡大していく方針だ。4月17日、アサマレースウエイ(旧浅間サーキット)で開催された試乗会では、オールテレーン(全ての地形)の名に相応しいオンロード、オフロード性能を体感することができた。

 「GEOLANDAR A/T4」は、アグレッシブな見た目とスノートラクション性能、オフロード性能、耐カット・チッピング性能に加え、オンロードでの優れたウェット性能、快適性、耐摩耗性能等を実現したオールテレーンタイヤ。雪上性能は、「スノーフレークマーク」を全サイズで獲得しており、冬用タイヤ規制時でも走行可能なタイヤとして認められている。

 それら性能を支えるのが新開発のトレッドパターン、デュアルサイドウォール、スクエアプロファイル等の技術だ。

 トレッドパターンには2イン1センターブロック、シングルピッチショルダーブロック、ウェーブ3Dサイプ、ジグザググルーブ、ディープ&ワイドショルダー溝、切り欠き溝といった技術を搭載することで、よりオフロードらしい見た目とオールテレーンタイヤに必要な性能の強化を追求した。開発最終段階まで性能向上のために工夫した、こだわりの箇所という切り欠き溝は、「各ブロックに2つもしくは3つ配置し、形状は三角形や四角形、五角形等で深さも様々、場所によっては面取りも行っている。最適な形状、配置で設計しており、オフロード、スノー、ウェット性能の向上に大きく役立っている」(横浜ゴム)という。

 デュアルサイドウォールは、2イン1で配置された大型のサイドブロックによって、アグレッシブな外観と耐サイドカット性、オフロード性能を両立。プロファイルは既存商品であるG015の丸みを帯びた形状から、スクエアな角ばった形状とした。「ここはタイヤの接地特性に非常に感度のある場所」(同)で、改良により接地形状は接地端の特に角が伸びたスクエアな形状となり、接地領域が拡大している。接地領域の拡大により、「特にトラクション性能や耐摩耗性能の向上に大きく寄与している」(同)という。

 アサマレースウエイ(旧浅間サーキット)で開催された試乗会では、外周路、内周路、公道での試乗を通じて、同タイヤの性能を体感した。

オンロード(上写真)、オフロード問わないオールテレーンの走り


 外周路、内周路は雨の影響もあり一部がぬかるみ、大きな凹凸、柔らかく深い土などもあわせ変化に富んだ、オールテレーンタイヤの実力を問うには最適なコースとなっていた。外周路で使用した車両はトヨタ自動車のハイラックス、三菱自動車のトライトン、内周路ではトヨタ自動車のRAV4を用いた。ラリードライバーの走行に同乗した。

 変化に富んだオフロードを、「GEOLANDAR A/T4」を装着した車は難なく走る。ぬかるみや深い土で一旦停止した後の脱出、オフロードでの高速走行、軟らかい路面での切り返しなど、一見すると難しそうな場面でも全く問題ない。不安なく進むだけでなく、乗り心地さえも良いのだから驚く。ドライバーは「GEOLANDAR A/T4の良さは、車の持つ本来の潜在能力を余すとこなく引き出せること。車が行ける場所であれば、何の心配もなくすべての領域をカバーできる。

 凸凹を乗り上げた際の突き上げが少なく、ぬかるみや土が掘れた箇所、柔らかい土でのトラクションも良い。ノーマルタイヤでは絶対に走れないところが走れる。切り返しのレスポンスが良く、仮に滑ったとしても、それが唐突には出ず、コントロールしやすい。不安感が全くない。

 どのような路面であってもそつなく十分にこなすが、これは一番難しいことだ。雪道も走れるため、一年中このタイヤで走ることができる」と語った。

 一方、公道ではレーシングドライバーが運転するRAV4に同乗した。ブロック基調のパターンとは思えないほどロードノイズは少なく、乗り心地も快適、滑らかに進む。ドライバーは「ロードノイズだけでなく、乗り心地も良い。スクエアプロファイルのためショルダーが踏ん張って安心感がある。縦方向のトラクションに強みがあり、接地もしっかりしているため、直進安定性も高い」と語った。

 試乗を通じて分かったことは、「GEOLANDAR A/T4」がどんな道でも走れる、しかも単に走れるだけでなく、快適に走れるということ。これぞまさにオールテレーンタイヤと感じた。

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