【工場探訪】横浜ゴム三島工場
今年70周年迎えたタイヤ工場
タイヤ 2016-06-27
横浜ゴム三島工場は、静岡県東部、伊豆半島の付け根にある三島市に位置している。1946年に操業を開始し、今年5月4日には「70周年創業祭」を開催した歴史のある工場だ。JR三島駅から自動車で10分、また伊豆箱根鉄道の三島二日町駅から徒歩5分のところに立地している。
土地面積は11万2000㎡、建物面積は6万9000㎡。タイヤオンリーの工場として、乗用車用タイヤでも小型車や軽自動車向けの比較的小ぶりなサイズのタイヤを生産しており、またタイヤ工場で唯一、レーシング用タイヤも生産している。レーシング用タイヤはサイズの大小に関わらず、すべてのタイヤを生産している。
生産設備台数(成形機、押出機、加硫機などの合計)は530台、生産新ゴム量は月産3000トン、タイヤ生産本数は月産110―120万本(日産では4万本)を誇る。従業員数は横浜ゴム人員572人、協力社員342人の合計914人(2015年12月末現在)。同社の乗用車用タイヤ工場としては一番人数が少ない。工場は3班2交替勤務で24時間稼働しており、年間操業日数は347日となっている。
乗用車用タイヤについては、現在12―14インチの生産比率が高い。三島工場業務課長の大森さんは、「三島工場では小ぶりなタイヤを生産していますが、世の中の流れはハイインチ化しています」と語る。こうした背景を受けて、三島工場では現在、ハイインチ化対応に向けた設備投資を行っている。「乗用車用タイヤを生産する兄弟工場として、愛知県に新城工場があります。新城工場では2000㏄クラスや3ナンバーといった車種、インチでいうと15インチ以上をメインに生産しています。三島工場がハイインチ化してくると新城工場と重複するインチが多くなりますので、三島工場に合わせて新城工場もハイインチ化することで、インチの棲み分けを行うことが必要になってくるのではないでしょうか」と大森さんは語る。
三島工場では『「止める・呼ぶ・待つ」から改善し、競争力のある独自の商品を供給する』を2016年の基本方針に定め、『スピード、コミュニケーション、チャレンジ』を行動指針に、日々生産活動を行っている。また、工場運営の4本柱として、①災害のない工場づくり(OSHMS:労働安全衛生マネジメントシステム)②環境への配慮(ISO14001)③品質の保証(ISO9001、QS9000→ISO/TS16949へ移行)④効率的な生産(TPS[JIT+自動化]、JITを支えるTPM活動)―がある。
TPM活動とは、トータル・プロダクティブ・メンテナンスの略。工場ぐるみで設備および仕組みを改善し、あらゆるロスを徹底的に取り除き、品質向上、原価低減と生産リードタイムの短縮を狙う活動を指す。三島工場では、シフトごとにいくつかのサークルを作り、工程ごとに改善活動を行っている。国内外の生産拠点でTPM活動を実施しており、ノウハウは水平展開され、全社の改善に役立てられている。
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