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アイスブレーキング性能8%良化、ウェットブレーキング性能18%向上 

TOYO TIRE、乗用車用スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2」8月から発売

タイヤ 2020-07-28

 TOYO TIREは、乗用車用スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2(オブザーブ ギズツー)」を8月1日から発売する。スタッドレスタイヤOBSERVEシリーズにとって、6年ぶりの新製品だ。2月下旬、北海道佐呂間町にある同社の冬期タイヤテストコースで開催された試乗会で、その高い性能を先行して確認した。

 冬道を走るドライバーにとって、安心感はタイヤを選ぶ一つの重要な要素だ。ドライバーが得る安心感は、スタッドレスタイヤの氷上、雪上性能に大きく左右される。実際、ドライバーを対象とした各種アンケート調査の結果では、スタッドレスタイヤを選ぶ際に、氷上性能を最も重要視していることがうかがえる。それら性能に加え近年では、1日の気温変化が大きいことによるシャーベット状のウェット路面からアイス路面まで、時々刻々と変化する路面状況への対応が求められている。

 試乗会であいさつに立ったTOYO TIREの清水隆史社長は「スタッドレスタイヤの開発において、最も重視しているのはアイス性能だ。アイス路面における制動をしっかりコントロールしていくことは、タイヤメーカーとして冬タイヤの開発に取り組むべき根源。

 気候は常に一定ではなく、気温が高くなれば路面がシャーベット状になる。そうしたことも想定に入れて、対応していく必要がある」と、アイス性能だけでなく、路面変化への対応の重要性を強調した。

得られたのは性能に裏打ちされた絶対的安心感-北海道タイヤテストコースで試乗会

 OBSERVE GIZ2は、気候変動に伴う季節要因の変化を重要視している。地球温暖化時代の日本の降雪期に求められる性能を追求した。ウェット性能を高めて冬道での路面変化に対応するとともに、ゴムの経年変化による氷上での摩擦力低下を抑制、アイス路面での性能の持続にも努めた。アイス路面でのブレーキング性能は同社従来品(OBSERVE GARIT GIZ)比で8%良化、ウェット路面でのブレーキング性能は制動距離を同18%短縮した。

雪上でも氷上でも発揮する確かな性能


 新たなコンパウンドである「吸着クルミゴム」を採用したことで、氷の表面にできるミクロ単位の水膜を瞬時に吸水するとともに、やわらかさを保ったゴムがアイス路面へしなやかに密着する。また同社が20年以上培ってきた独自技術である鬼クルミの殻を配合したゴムが氷をひっかき、路面をしっかり捉える。CAEとAIを融合した独自のタイヤ設計基盤技術「T-MODE」のスノー予測技術を活用し、実際の使用環境における雪質を考慮した最適なパターン形状も氷雪上性能の向上に寄与している。

 全長200メートルの氷盤路コースを持つ、テストコース内のアイスドームで行われた試乗では、モータージャーナリストの五味康隆氏が運転する車に同乗し、OBSERVE GIZ2の氷上性能を体感した。OBSERVE GIZ2を装着した車は、制動時にはしっかりと止まり、発進時にはしっかりとトラクションがかかる。スラロームでもハンドルの修正は必要なく、挙動も乱れることがない。イメージ通りのラインを描ける。得られるのは、ユーザーがスタッドレスタイヤで最も重要視する氷上での絶対的な安心感だ。

 一方の雪上性能はどうか。全長3キロ、直線900メートルの圧雪の外周路では記者が運転し、雪上性能を確認した。ここでも得られたのは、間違いのない安心感だ。

 900メートルの直線を使った高速のレーンチェンジでは、ハンドルへの応答性の良さが伝わった。ハンドルをきったドライバーのイメージ通りにタイヤが追従し、応答が遅れることもない。レーンチェンジ後の挙動も安定そのものだ。

 北海道の自然に近いレイアウトの外周路には、高低差がある。そのアップダウンにも、OBSERVE GIZ2はしっかり対応する。登坂時にはタイヤが雪道を確実に捉えグイグイと登坂する。一方、下り坂の制動では車体の挙動に変化がないままピタリと止まる。下り坂の制動時に得られる安心感は特筆ものと言って良い。それほど車体が安定する。

 何度も書くように、今回の試乗で得られたのは絶対的な安心感だ。高レベルの氷上、雪上性能に裏打ちされたこの安心感は、冬道を走るドライバーにとって非常に心強い味方になる。ドライバーにはまず、OBSERVE GIZ2の性能と安心感を体験して欲しい。

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