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【新年インタビュー】横浜ゴム野地彦旬社長

「100周年迎える2017年 中計達成に全力あげる」

タイヤ 2017-01-06


 「2017年は当社創業100周年に加え、中期経営計画グランドデザイン(GD)100の最終年。この節目に社長でいられたことは非常に幸せ」と語る野地彦旬横浜ゴム社長。GD100の目標である売上高7,700億円、営業利益800億円を達成するため、経営に全力をあげていく。

 ■2016年を振り返って
 2016年はオフハイウェイタイヤメーカーのアライアンスタイヤグループ(ATG)を買収するなど、非常に大きく動いた年になりました。

 第3四半期までのタイヤ事業は、国内新車用の販売が自動車生産台数の減少などにより低調に推移。国内市販用も前年同期を下回りましたが、新商品や高付加価値商品を中心に販売を強化しました。海外については、北米は全体的に堅調で、欧州は新規販路が販売に寄与するなど好調に推移したほか、中国は小型車向けの減税で自動車販売が回復し新車用タイヤが好調でした。また、7月に買収したATGでは農機用タイヤを中心に積極的な販売活動を実施しました。

 MB事業では、市場環境の悪化に伴う需要低迷に加え、円高による為替影響により、ホース配管、工業資材、ハマタイト・電材、航空部品分野とも売上高が低調に推移しました。

 ■中計最終章「フェーズⅣ」
 当社は創業100周年となる2017年に達成を計画している中期経営計画「グランドデザイン(GD)100」の最終章となる「フェーズⅣ」を実施しており、「成長力の結集―YOKOHAMAの可能性を結集して、次の100年を切り拓く―」をテーマとして事業活動に取り組みました。

 ■タイヤ事業戦略
 タイヤ事業戦略は、「グローバルOE市場への注力」「大需要・得意市場でのプレゼンス向上」「生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略」を掲げ、「グローバルOE市場への注力」では、ポルシェやメルセデスベンツなどの世界のカーメーカーへの新車納入を増加させるとともに、日系カーメーカーのグローバル生産に対しては、コンチネンタル社との提携を終了したことで、当社独自に対応することができるようになり、さらなる事業強化を図ることが可能となりました。

 「大需要・得意市場でのプレゼンス向上」では、イングランド・プレミアリーグの「チェルシーFC」とのスポンサー契約が2年目を迎え、グローバルでの認知度が向上しました。また、アジア最高峰のフォーミュラレースである「全日本スーパーフォーミュラ選手権」のオフィシャルサプライヤーになり、高い開発力、技術力をアピールしました。

 「生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略」では、7月にATGを買収。ATGはイスラエルとインドに計3工場を保有し、欧米を中心に販売を行い、高い成長力、収益力、ブランド力を誇っています。ATGを傘下に加えることにより、当社のタイヤ事業の収益力の安定・強化を図り、さまざまなシナジー効果を生み出す計画です。

 ■MB事業戦略
 MB事業戦略では、「自動車部品ビジネスのグローバル展開」「海洋商品で№1カテゴリーを拡大」「グローバルでの建機・鉱山ビジネス強化」「独自技術を応用した新規事業の拡大」を掲げ、「自動車部品ビジネスのグローバル展開」では、ヨコハマラバータイランドにおいてトヨタ自動車向けのオイル供給用ホースの生産を開始しました。

 「得意の海洋商品で№1カテゴリーの拡大」では、2014年に買収したイタリアのマリンホース生産販売会社であるヨコハマ工業品イタリアが、横浜ゴムブランドのマリンホース「シーフレックス」の生産に関して国際認証を取得しました。

 「グローバルでの建機・鉱山ビジネス強化」では、資源開発国での大規模な資源運搬用に耐摩耗性に特化したコンベヤベルト「タフテックスα」を開発しました。

 「独自技術を応用した新規事業の拡大」では、岩谷瓦斯と共同で開発した耐圧82メガパスカルの「アイバーHG82」の販売を開始しました。

 ■技術戦略
 技術戦略では、北海道旭川市に従来の冬用タイヤテストコースの4倍強の広さとなる「北海道タイヤテストセンター」を開設しました。さらに9月には米国・ノースカロライナ州にタイヤ研究開発センターを開設し、大需要地域である北米での研究開発機能を強化し地産地消を進めています。

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