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2023年12月期業績

横浜ゴム、売上収益、各利益で過去最高

決算 2024-02-19

 横浜ゴムの2023年12月期業績(IFRS)は、売上収益が9,853億3,300万円で前期比14.5%増、事業利益が991億2,700万円で同41.4%増、純利益が672億3,400万円で同46.4%増だった。売上収益、事業利益、純利益とも過去最高で、事業利益率が10%を超えたのも初。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因が物流費等で280億円、原料価格で62億円、為替差で52億円、価格/MIXで41億円、MBで32億円、Y-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding=TWS)で18億円、その他で7億円、減益要因が製造原価で106億円、YOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)で45億円、固定費で42億円、販売量で8億円、差し引き290億円の増益だった。「生産調整による製造原価の悪化や未実現利益の悪化があったものの、価格転嫁や海上フレートを主とした物流費の改善等が寄与した。事業利益の実績が前回予想比から91億円良化しているのは、リスクとして織り込んでいた固定費の大部分が発生せず、69億円良化したことが主要因」(結城正博取締役執行役員)。

 タイヤ事業は売上収益が8,748億6,300万円で同16.0%増、事業利益が920億2,600万円で同37.7%増。タイヤ事業増収の内訳は国内新車用で+87億円、国内市販用で+93億円、海外で+225億円、YOHTで▲237億円、Y-TWSで+1,037億円。新車用タイヤの売上収益は、国内や北米での装着車種の販売が好調だったことに加え、新規納入車種が増加したことにより増収。市販用タイヤの売上収益は、国内では夏用タイヤの販売が堅調に推移し、海外では中国、インドなどアジア地域で販売を伸ばしたことで前期を上回った。オフハイウェイタイヤ(OHT)は、YOHTの販売は欧州、北米の厳しい市場環境の継続により伸び悩んだが、5月に買収完了したY-TWSの業績が加わったことで、OHT全体の売上収益は前期を大きく上回った。

 MB(マルチプル・ビジネス)事業は売上収益が1,018億8,500万円で同5.9%増、事業利益が71億5,500万円で同80.5%増。ホース配管事業の売上収益は、建設機械向けなどの油圧ホースは需要低迷により販売が振るわなかったが、北米における自動車向けホースが堅調だったことなどから前期並み。工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトの販売が国内で大きく伸長したほか、海洋商品や民間航空機向け補用品の販売が好調で前期を大きく上回った。「第4四半期(10~12月)の事業利益率は、9.7%まで改善した」(同)。

 2024年12月期業績予想は、売上収益が1兆600億円で前期比7.6%増、事業利益が1,150億円で同16.0%増、純利益が745億円で同10.8%増。Y-TWSが1年を通して貢献することなどにより、いずれも過去最高の更新を見込む。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因がY-TWSで150億円、販売価格で62億円、販売量で36億円、製造原価で24億円、価格/MIXで6億円、MBで5億円、その他で2億円、減益要因が為替差で45億円、物流費等で44億円、固定費で37億円、差し引き159億円の増益を見込む。「販売量は販売本数を4%増と見込んでいる。また、物流費は販売量増や2024年問題への対応に加え、紅海の緊迫化に伴う足元の海上運賃の上昇リスクを最大限織り込んだ」(同)。

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