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2023年12月期第2四半期業績

横浜ゴム、売上収益が過去最高

決算 2023-08-14

説明する山石昌孝社長


 横浜ゴムの2023年12月期第2四半期(1~6月)業績(IFRS)は、売上収益が4,431億6,400万円で前年同期比13.2%増、事業利益が255億6,600万円で同7.8%減、純利益が276億7,800万円で同18.8%増だった。売上収益は過去最高。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因が物流費等で72億円、為替差で45億円、価格/MIXで36億円、MBで17億円、販売量で5億円、減益要因が製造原価で61億円、原料価格で52億円、YOHT(Yokohama Off-Highway Tires)で36億円、固定費で33億円、Y-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding=TWS)で10億円、その他で5億円、差し引き22億円の減益だった。「YOHTは昨年、為替予約等の特殊要因があり利益が若干膨らんでいた。加えて、昨年9月以降、北米を中心に流通在庫が膨らみ、それがなかなか掃けず上期まで継続した。ただ、公表値に対してはほぼ達成しており、想定の範囲内とみている」(山石昌孝社長)。

 タイヤ事業は売上収益が3,894億7,000万円で同14.1%増、事業利益が229億7,400万円で同13.0%減。タイヤ事業増収の内訳は国内新車用で+39億円、国内市販用で+48億円、海外で+210億円、YOHTで▲120億円、Y-TWSで+305億円。新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売が不振だったことによる影響があったものの、国内や北米では新車販売の回復により好調に推移し増収。市販用タイヤは、国内では年初の降雪により冬用タイヤの販売が堅調に推移したほか、海外では欧州、中国などの地域でADVAN、GEOLANDARなど高付加価値商品の販売が好調で、売上収益は前年同期を上回った。OHT (オフハイウェイタイヤ)の売上収益はYOHTの販売が減少したものの、5月に買収を完了したY-TWSの業績が加わったことで、OHT全体として前年同期を大きく上回った。

 MB(マルチプル・ビジネス)事業は売上収益が490億4,900万円で同8.6%増、事業利益が27億2,700万円で同171.8%増。ホース配管事業は、北米で自動車の生産が回復したことなどから増収。工業資材事業の売上収益はコンベヤベルトの販売が国内、海外ともに大きく伸長したほか、海洋商品も好調で前年同期を上回った。また航空部品も、民間航空機向け補用品販売が好調だったことから前年同期を上回った。「油圧ホースの需要は、中国市場等の影響を受け期待しているほど上がっていない。油圧ホースは下期もやや苦しい部分があるとみているが、回復基調は肌で少し感じてきている。コンベヤベルトに関しては、競合他社撤退分の刈り取りが好調に進んでおり、業績の大きな改善に繋がっている」(浜谷孝行理事・MB事業本部長兼横浜ゴムMBジャパン社長)。

 2023年12月期業績予想は、売上収益が1兆円で前期比16.2%増、事業利益が845億円で同20.6%増、純利益が570億円で同24.1%増。売上収益と事業利益は過去最高を見込む。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因が物流費等で260億円、原料価格で64億円、Y-TWSで42億円、販売量で25億円、MBで22億円、その他で10億円、為替差で7億円、減益要因が固定費で138億円、製造原価で106億円、YOHTで44億円、差し引き144億円の増益を見込む。

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