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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、中国共産党大会への警戒感

2017-10-23


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=190円台中盤から後半をコアに揉み合う展開になった。

 上海ゴム相場の上値の重さから200円割れで取引される時間帯が増えており、6月27日以来の安値を更新している。ただ、中国共産党大会が始まる中、積極的な売買は見送られがちであり、本格的な値崩れを起こすには至らなかった。

 上海ゴム相場は、1トン=1万3,000元台中盤でのボックス相場になっており、安値圏での取引であることは間違いないが、自律反発的な動きもみられるなど、決定打を欠いている。中国の他コモディティ市場に目を向けても、鉄鉱石や石炭相場などは乱高下を繰り返しており、大きく上昇することも下落することもない中途半端な値動きになっている。

 中国共産党大会では、習近平・国家主席が「青い空を守る戦いに勝利する」と宣言するなど、単純な経済成長を求めるのではなく、「質の高い発展」に政策の軸足をシフトする方針を再確認している。まだ具体的な内容については明らかにされていないが、マーケットは生産性の低い工場の操業規制、金融規制強化といった動きを想定している。少なくとも共産党大会でコモディティ需要見通しにポジティブな影響を与えるような動きは想定しづらく、中立からネガティブな影響が基本になる。

 中国の7-9月期国内総生産(GDP)は前期比年率6.8%増となり、4~6月期の6.9%増からは減速したが、市場予測とは一致した。総じて安定した経済成長が維持されていることが確認できるが、マーケットでは殆ど材料視されなかった。仮に本格的なリバウンドを打診するのであれば、「良好な経済指標→需要拡大期待」のフローが想定されていたが、無風通過に終わっている。

 産地相場は低迷しているが、主産地タイでは25-29日までがプミポン前国王の葬儀であり、服喪期間とあって産地発の動きは想定しづらい。ここ最近はUSSの集荷が低迷しているものの、産地でゴム農家の抗議デモといった動きは想定しづらく、産地主導の値動きも見送られよう。市況対策導入の是非を巡る議論は、最短でも11月以降になる可能性が高い。

 上海ゴム相場次第の展開が続くことになるが、24日まで続く中国共産党大会が注目される。ここで習近平政権の権力基盤が一段と強化されれば、これまで同様に大気汚染対策やデレバレッジとした中国コモディティ市場全体にネガティブな動きが継続されることが、ゴム相場の上値を圧迫することになる。

 ただ、下げ過ぎ感も強く、自律反発的な動きには引き続き注意が要求される。

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