【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、1年2カ月ぶりの高値更新
連載 2026-04-06
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=380円台後半まで値上がりし、2025年2月以来、1年2カ月ぶりの高値を更新した。上海ゴム相場の堅調地合を手掛かりに、押し目買い優勢の展開になった。上海市場では、合成ゴム相場の急伸は一服しているが、天然ゴム相場の相対的な割安感が注目された。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,000元台半ばから後半で底堅く推移した。3月中旬はイラン戦争による需要不安を背景に一時1万6,000元を割り込む軟調地合になっていたが、その後は合成ゴム相場の急伸を手掛かりに値位置を切り上げている。
合成ゴムの上海ブタジエンゴム先物は、一時1万8,000元台まで急伸した後、1万7,000元台前半まで軟化している。3月に約5,000元の急伸地合が形成されたことに対する修正圧力がみられる。ただし、イラン戦争の影響でナフサの価格が高騰し、供給不安が高まる中、合成ゴムに対する天然ゴムの相対的な割安感が注目されている。ブタジエンゴムから天然ゴムへの需要シフトの思惑もあり、上海ゴム相場の堅調地合が、OSEゴム相場も押し上げる展開になった。
マーケット全体ではイラン情勢が注視されているが、ゴム相場に対する影響は限定された。イラン戦争が原油高を引き起こしていることは、コモディティ相場全体に対してポジティブだ。合成ゴム価格の値上がり要因になることに加えて、インフレ懸念も高まることで、コモディティ相場全体が押し上げられやすくなる。一方、地政学リスクやインフレリスクの高まりは、世界経済の減速懸念も高めている。インフレで消費環境が一段と悪化すると、タイヤ需要に対しても直接的な影響が生じやすくなる。
イラン情勢は目まぐるしく変化し続けているが、ゴム相場がほぼ一貫してじり高の展開になったことは、イラン情勢がゴム市場の主要な関心事ではないことを示唆している。トランプ米大統領は4月2日の演説で、対イラン軍事作戦の目標達成に近づいているとする一方、今後2~3週間にわたって激しい攻撃を行う可能性を警告している。マーケット全体が徐々にイラン戦争終結の見通しを織り込み始めているが、先行き不透明感が強い。
為替相場は、1ドル=160円を巡る攻防になっている。イラン戦争が米国でインフレ、日本で貿易収支の悪化を促すとの見方から、一時160.46円まで円安・ドル高が進行したことは円建てゴム相場にポジティブ。ただし、その後は日本当局の円買い介入に対する警戒感、イラン戦争の終結観測から158円台前半まで反落する場面も見られるなど、値動きの不安定さが目立った。
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