【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、通商問題で7カ月ぶり安値
連載 2025-03-17
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=330円台中盤まで下落した。3月11日には325.30円まで下落し、2024年8月16日以来の安値を更新した。引き続きトランプ米政権の通商政策に対する警戒感が強い。通商リスクに加えて景気減速リスクの織り込みも進んでおり、株価や原油相場と連動して上値の重い展開が続いている。減産期はピークを迎えつつあるが、供給不安より需要不安の織り込みが優先されている。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万7,000元台前半で上値の重い展開になった。一時は1万7,000元の節目も割り込み、2月5日以来の安値を更新している。
トランプ米政権の動きに世界が振り回される展開が続いている。3月4日にはメキシコとカナダからの輸入品に25%、中国からの輸入品には2月の10%にさらに10%の関税が課せられた。3月10日には中国が米国産農産物の輸入に10~15%の報復関税を発動している。
また、3月12日には鉄鋼とアルミの輸入に対して25%の関税が課せられた。直ちに欧州連合(EU)やカナダが報復措置を発表しており、通商環境が急激に不安定化している。トランプ大統領は、報復措置にはさらに報復を行うと警告しており、今後の展開が読みづらい状況になっている。今後は多くの国を対象とした相互関税なども予定されており、通商問題への警戒感は強い。
トランプ大統領はリセッション(景気後退)入りの可能性を否定しなかった。株価急落など市場の混乱も気にせず、「国の再建」のために必要なプロセスとの見方を示している。株価急落でも関税発動が見送られるリスクは低いとの失望感が広がっている。
しかも、通商問題は米中などの実体経済にも影響を与えている。通商環境の先行き不透明感が個人消費や企業活動にも影響を及ぼし始めている。世界の株価下落傾向が加速していることが、ゴム相場の上値も圧迫している。
3~4月は減産期のピークになるが、産地相場も低迷が続いている。タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は、3月12日時点で前週比2.9%安の1キロ=70.05バーツとなっている。消費地相場と比較すると値動きは限定されているが、期近限月に減産期のプレミアム加算を進めるような動きは確認できない。JPXゴム先物相場は順サヤ(期近安・期先高)の傾向を強めており、供給不安ではなく需要不安から期近主導で値下がりした。
為替相場の値動きは安定しなかった。週前半は1ドル=146.52円まで円高・ドル安に振れたが、週後半は148円水準まで切り返している。このため、為替要因で大きな値動きは求められなかった。
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