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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海ゴム主導で上昇再開

連載 2024-09-16

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=360円台中盤まで切り返す展開になった。8月30日に約13年ぶりの高値となる380.30円まで急伸した後、9月5日の345.30円まで急反落していた。しかし、その後は改めて押し目買いが膨らみ、350~365円水準で売買が交錯する展開になった。

 円高、株安、原油安などゴムの投資環境としてはネガティブ材料が目立っていたが、上げ一服となっていた上海ゴム相場が改めて急伸したことが、JPXゴム相場も押し上げている。上海ゴム相場の動向に一喜一憂する展開が続いている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,000元台後半から1万6,000元の節目水準まで急反落していたが、一時1万7,000元台まで急反発する荒れた展開になった。数日単位で急伸と急落を繰り返す不安定な地合だが、改めて年初来高値を更新する展開になった。

 中国南部から東南アジアにかけては豪雨が報告されており、天候不順を手掛かりとした投機筋の物色意欲の強さが目立った。上海取引所在庫は9月入りした後も積み増しが続いており、9月6日時点では14週連続で増加。このため需給ひっ迫感が強いとは言い難いが、投機筋の思惑的な買い圧力の強さが目立った。

 中国の8月新車販売台数は前年同月比5%減の245.3万台となった。3カ月連続で減少している。景気減速で消費不振が深刻化しており、新車販売環境は悪化し続けている。補助金が交付されている新エネルギー車への買い替えが中心であり、新車用タイヤ需要環境は悪化傾向が目立つ。ただし、原油や非鉄金属、鉄鉱石相場などとは異なり、中国景気リスクを積極的に織り込んでいくような動きは見送られている。

 タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は、9月11日時点で前週比1.6%高の1キロ=83.63バーツ。タイでは引き続き豪雨が報告されており、タイ気象庁からは警報が出されている。パーム油や砂糖、コーヒー、コメ市場などは土壌水分環境の改善を促す動きとして、逆に供給環境に対してポジティブな評価もあるが、ゴムは天候リスクの織り込みが継続。ただし、産地主導で消費地相場を押し上げるというよりも、投機色の強い上海ゴム相場の動向に強く依存する展開になっており、上海ゴム相場の値動きが重視されている模様だ。

 日本の気象庁が発表したエルニーニョ監視速報では、「ラニーニャ現象の特徴に近づきつつある」との報告が行われている。今冬にラニーニャ現象が発生する確率が60%とされている。実際にラニーニャ現象が発生すると生産障害が発生するリスクが高まることには注意が必要。

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