コラム「Front Line」
価格に左右されない汎用品の価値創造
会員限定 連載 2024-02-05
「足元では、一流企業の目安である売上高1兆円、事業利益率10%が視野に入るまで成長した」と語ったのは、横浜ゴムの山石昌孝社長。1月31日に開かれた社長交代の記者会見での言葉だ。
山石社長が就任した2017年の同社の売上高はおよそ6,500億円。社長を務めた7年間で、売上高は就任時の1.5倍を超える規模にまで拡大した。
M&Aだけでなく、円安が寄与したことは事実だが、一方で2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」で推し進めた戦略が着実に実を結んだ。それが高付加価値化だ。
乗用車用タイヤを中心とした消費財で高付加価値品比率の最大化を図るとともに、トラック・バス用(TBR)、建設車両用、農機用、産業車両用タイヤなどの生産財においては、より利益率の高い建設車両用、農機用、産業車両用などオフハイウェイタイヤ(OHT)の比率を高めた。世界市場の生産財におけるTBRとOHTの比率が2対1なのに対し、同社は1対2と利益率の高い構成比となっている。
業績が大幅に拡大した中、山石社長は「高付加価値品をさらに伸ばしていくという基本方針は変わらない」としたうえで、技術・生産を経営課題に挙げた。低コスト、短納期開発で市場を席巻する中国、インドなどの新興国メーカーに対する危機感だ。
山石社長が挙げた危機感は、何も
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