コラム「Front Line」
自動車生産回復でも続くCRの苦戦
会員限定 連載 2023-11-13
コロナ禍が明け、海運を中心とした物流の混乱が収束するにつれ、表面化してきた問題が在庫過多だ。港湾のロックダウン、コンテナの滞留等で、製品が思うように流れなかった中、サプライチェーンの寸断を懸念したユーザーの積み上げた在庫が、川上にあたる合成ゴムの需要に足元で響いている。
合成ゴムの中でも、クロロプレンゴム(CR)への逆風は強い。CRメーカー関係者は「合成ゴムの多くの品種が苦戦していると聞くが、その中でも最も厳しいのはCRだろう」と話す。
背景にはCR特有の理由もある。CRをグローバル供給するのはデンカ、東ソー、レゾナック、アランセオの4社と限られる。合わせて5工場(日本3工場、米国1工場、ドイツ1工場)から世界に供給しているため
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