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【マーケットアナリティクス】

天然ゴム相場、期近は300円台まで急伸

連載 2017-04-12



 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、4月4日に1キログラム=231.00円まで急落して年初来安値を更新した後、翌5日の取引で250円水準まで一気に切り返す荒れた相場展開を継続した。

 米政治環境の不安定化から、為替相場が円高・ドル安気味に推移する中、円建てゴム相場に対しては改めて下押し圧力が強まった。しかしその一方で5日の取引で上海ゴム相場が突然の急反発になったことで東京ゴム相場もつれ高するなど、短期間で目まぐるしく地合が変わる展開が続いている。

 相場テーマは明確ではなく、上海ゴム相場の瞬間的な投機に振り回される展開が続いている。人民元相場は特に目立った動きを見せておらず、中国コモディティ市場では他のマーケットも全般的に方向性が定まっていない。4月入りしてから資金流入傾向が目立つ資産クラスは株式と仮想通貨ビットコインであり、上海ゴム相場は資金の出入りこそ激しいが、明確な方向性を打ち出せていない。

 唯一明確なトレンドが打ち出されたのが、東京ゴム相場の当限の急伸であり、こちらは3月末の270.60円に対して、約1カ月ぶりの高値となる300円台まで急伸している。産地やシンガポール相場は目立った動きを見せていないが、低在庫環境を背景に踏み上げ的な相場展開が始まっているとの指摘もあり、期近主導の上昇リスクに注意が必要な時間帯になっている。

 3月20日時点の取引所指定在庫は1,571トンとなっているが、これは前年同期の6,693トンの僅か23%の水準に留まっている。昨年もこの時期は当限主導でゴム相場全体の値位置が切り上がった経験があるだけに、当限の動向には注目したい。当先では50円を超える逆サヤ(期近高・期先安)が形成されており、サヤバランスの過熱感が意識されると、期近安か期先高による水準調整が要求されることになる。

 もっとも、産地相場の値動きは鈍く、減産シーズン入りの目立った影響は確認できない。例年と比較して降水量が多めの推移になっているため、今季は季節要因に基づく需給引き締め圧力は限定的との見方が強い。パーム油やコーヒー相場なども総じて上値が重く、東南アジア地区における農産物供給リスクの織り込みは鈍い。

 上海ゴム相場は瞬間的な投機に左右される展開が続く見通しだが、東京市場では期近高傾向が鮮明になっている。期先はこのまま安値圏での取引を継続するのか、期近連動で上昇トレンドに転換するのかが試される局面になる。

 (マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努)

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