PAGE TOP

コラム「Front Line」

急速に普及が進むEVの陰で特殊合成ゴムは

会員限定 連載 2023-06-12

 国内にいるとそれほど実感しないが、世界では電気自動車(EV)が急速に普及している。

 日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた国際エネルギー機関(IEA)のレポート「世界のEV見通し2023」によると、2022年の世界の電気自動車(バッテリー電気自動車=BEV)、プラグインハイブリッド車=PHEV)の乗用車の合計)販売台数は、前年比55%増の1,020万台で、初めて1,000万台を超えた。2023年は同35%増の1,400万台に達する見通しで、自動車市場全体のおおよそ5分の1を占めるようだ。

 2022年のEV販売台数は中国が前年比80%増の590万台、欧州が15%増の260万台、米国が55%増の99万台。この3カ国・地域で世界の93%を占める。新車販売台数に占めるEVの割合は中国が29%、欧州が21%、米国が8%。販売される自動車のうち、中国は10台に3台、欧州は5台に1台がEVということになる。

 ちなみに2022年の日本国内のEV販売台数は、5万8,813台。2021年に比べ2.7倍になったが、前述の国・地域に遠く及ばず、販売台数に占める割合も1.7%にとどまる。ただ、国内自動車メーカーも、トヨタ自動車が2026年までにBEVの販売台数を年間150万台に増やす計画を発表するなど、世界に対し出遅れ感の強いEVで巻き返しを図ろうとしている。インフラ等の課題もあるだろうが、EVは想像の上を行くスピードで普及するかもしれない。

 内燃機関はこれまで、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

関連記事

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物