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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、下値切り下げ後に修正高

連載 2022-08-01

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=235.20円まで下落して1月28日以来の安値を更新した後、240円水準まで切り返す展開になった。世界経済の減速による需要不安が強く、下値を切り下げる展開になった。しかし、その後はコモディティ市場全体で安値修正の動きがみられ、ゴム相場も修正高になっている。

 上海ゴム先物相場も1トン=1万1,490元まで下落して年初来安値を更新した後、1万2,000元台まで切り返す展開になっている。需要不安からパニック的な急落地合を形成していたが、持ち高調整の動きが下値を支えている。

 国際通貨基金(IMF)は2022年の世界成長率見通しを3.2%に下方修正した。1月時点の4.4%を4月に3.6%まで下方修正していたが、もう一段階の引き下げが必要と評価されている。歴史的なインフレ、それに対応するための米欧の利上げ、中国の新型コロナウイルスの感染拡大などの影響が指摘されている。4月以降に世界経済の見通しは「大きく暗転した」として、「世界は間もなく同時不況の淵に立たされるかもしれない」との強い警戒感が示されている。各国経済指標をみても下振れ傾向が目立ち、ゴム需要見通しは厳しい状態にある。

 ただ、6月下旬から7月上旬にかけてのコモディティ相場の急落に対しては過熱感があり、原油や非鉄金属なども急落後の安値修正の動きが優勢になっている。ゴム相場も急落後の修正高の目線になったが、JPXゴム相場は極端な薄商いになり、積極的な売買は見送られた。

 7月25日に7月限が納会を迎えたが、受渡価格は250.10円となった。6月限の270.00円から19.90円の値下がりになる。国内在庫の取り崩しが続いていたことで、7月限は納会直前まで底固さをみせていたが、最終的には期先限月が需要不安を織り込む動きと連動して、値崩れを起こした。ただ、受渡枚数は305枚と、6月限の320枚に続いて高水準を維持した。低在庫環境を背景とした当限高の流れが一服したことはネガティブ。

 タイ中央ゴム市場の集荷量は安定している。台風シーズンを迎えて一部で洪水被害も報告されているが、集荷環境に大きなダメージを与えるには至っていない。7月27日時点の現物相場は、USSが前週比0.1%高の1キロ=55.92バーツ、RSSが同0.6%高の57.35バーツ。消費地相場の下げ一服感を受けて、産地相場も下げ一服感が広がった。ただ、産地主導で相場を押し上げるような動きはみられなかった。

 改めて需要不安を織り込む形で下値を切り下げるのか、修正高の目線を維持するのかが焦点になる。

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