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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、手掛かり難で膠着化

連載 2021-08-09

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=210円台中盤から後半で揉み合う展開になった。持ち高調整で8月2日には一時220.40円まで上昇し、7月12日以来の高値を更新した。しかし、そこからさらに上値切り上げを打診するような動きはみられず、逆にやや調整売り優勢の展開になった。ただ積極的に売り込むような動きはみられず、値動きは限定された。出来高も低迷している。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台中盤での小動きになった。1万3,000元台定着が進んでいるが、ここから上値切り上げを打診するような動きはみられず、決め手を欠いている。

 コモディティ市場全体では、新型コロナウイルスの感染被害拡大が警戒されている。従来の東南アジアやオセアニアに加えて、欧米、さらには中国でも感染被害が広がりを見せている。日本も連日のように過去最高の新規感染者が報告されている。経済活動への影響も警戒される中、原油や銅相場など幅広い産業用素材市況に対して売り圧力が観測されている。特にマーケットでは中国の感染状況が注目を集めており、調整売りを進める動きが目立った。しかし、ゴム相場は原油安につれ安することも逆行高となることもなく、決め手を欠いた。他コモディティ相場と比較すると相対的な底固さを示した格好だが、買い支えられたというよりも動かなかったとの評価になろう。

 自動車メーカーの4~6月期決算では、半導体不足に加えてパンデミックによる部品供給の混乱を報告する声が目立ち、年間生産台数のガイダンスを引き下げる動きも目立った。中国の自動車産業の拠点である武漢で新型コロナの感染拡大が報告されていることも警戒されている。排ガス触媒用需要の低迷を警戒してプラチナ相場が年初来安値圏まで値下がりしているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。

 タイ中央ゴム市場の集荷量は、USS、RSSともに安定している。パンデミックによる供給障害のリスクも警戒されているが、現段階では目立った影響は確認されていない。8月5日時点の現物相場は、USSが前週比0.5%高の1キロ=50.46バーツ、RSSが同0.3%高の53.69バーツ。産地相場にも目立った値動きは見られなかった。消費地相場主導の展開が続いているが、その消費地相場の値動きが鈍化したことで、産地相場も方向性を欠いている。

 JPXゴム先物市場では当先の順サヤ(期近安・期先高)傾向は維持されている。8月限と9月限が期先に対してディスカウントされているが、期先ゾーンではサヤのフラット化傾向も目立った。

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