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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、高値更新後に利食い売り

連載 2019-12-23


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=204.70円まで上昇して6月19日以来の高値を更新した後、利食い売りで190円台中盤まで軟化する展開になった。

 12月13日に米中両国は「第一段階」の通商合意に到達したと発表しており、通商リスクの軽減評価がゴム相場も押し上げている。米中貿易摩擦は2020年の世界経済における最大の不確実要素の一つとなっているが、少なくとも「第一段階」の合意に到達したことが、素直に好感されている。米国株は連日の過去最高値更新となっているが、銅や原油などの産業用素材市況も強含んでいることが、ゴム市場でも高く評価されている。

 一方で、今回の通商合意では大部分の制裁関税はそのまま残されることになり、中国が米国製品の輸入拡大に踏み切るのかは不透明感が残されている。このため、3月4日の年初来高値209.50円を上抜くには至らず、その後は利食い売りで上げ幅を削っている。

 10月以降は150円台中盤から目立った調整局面もなく50円幅の急伸地合になっていたことで、クリスマス休暇、そして年末・年始を前に持ち高調整の動きが上値を圧迫し始めている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台前半を維持できず、調整売り優勢の展開になっている。米中通商合意が実現したが、為替市場で中国通貨人民元相場が強含んだこともあり、高値を更新するには至らなかった。

 タイ中央ゴム市場の集荷量は、総じて安定している。特に大きく減少することも増加することもなく、横ばいの推移になっている。現物相場は、12月19日時点でUSSが前週比1.7%安の1キロ=40.79バーツ、RSSが同2.5%安の42.63バーツ。米中通商合意をきっかけに、産地相場を大きく押し上げることに失敗している。

 海外ファンドは過熱感から戻り売りを仕掛け始めているが、同時に新規で買いポジションを構築する動きもみられ、先高感と先安観とが交錯していることが窺える。リスクオン環境を背景に買い進む動きと、割高感から戻りを売り込む動きが交錯しているが、やや売り圧力の強さが目立つ状況になっている。

 クリスマス、年末・年始を控えて、持ち高調整中心の展開になり易い。更に株高、資源高が続けば、東京ゴム相場も一段高を打診する可能性が高まる。一方、当面の損益確定の動きが優勢になれば、東京ゴム相場は過熱感が極めて強くなっているだけに、期先限月を中心に急落するリスクを抱えている。年内の材料は概ね出尽くしているため、ファンドの持ち高調整の有無が注目される地合になる。

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