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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、期先はじり安傾向が続く 

連載 2019-07-01

アナリティクス
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=190円台中盤、TSRが150円台までそれぞれ下落する展開になった。産地供給不安を背景とした当限の急伸地合に一服感が強まる中、期先限月に対する売り安心感が強くなっている。当限は依然として高値水準を維持しているが、産地相場や上海ゴム相場は軟化傾向を強めており、その流れの中で期先限月は継足ベースで6月4日以来の安値を更新している。

 6月24日に6月限が納会を迎えたが、233.40円となっている。5月限の212.00円からは21.40円の値上がりであり、過去1カ月間でゴム相場の値位置が大きく切り上がったことが確認できる。ただ、すでに産地相場はピークアウトの兆候を見せており、新しく当限になった7月限は230円台前半で伸び悩んでいる。

 産地集荷量は明確な増加傾向を示している。2週連続で減産期明け後の最高値を更新しており、RSSに関しては概ね通常の集荷水準を回復した状態と評価できる。USSに関しても3月上旬の集荷水準を回復している。エルニーニョ現象による供給不安が産地相場を大きく押し上げたが、少なくともタイに関しては安定した供給環境が報告されている。

 現物相場も6月27日時点でUSSが前週比0.5%安の1キロ=56.49バーツ、RSSが同1.5%安の58.15バーツとなっている。急落するまでのエネルギーはないが、着実な値下がり傾向が続いている。

 産地では、高温傾向が続いており、ジャワ島周辺では依然として乾燥した天候が報告されている。ただ、東南アジア全体としては適度な降雨が観測されており、減産期から生産期への移行に関して、大きな問題は生じていない。このまま集荷量が増加傾向を維持して産地相場の値下がり傾向がさらに強まるか、それとも改めて供給不安を織り込む動きがみられるのかが供給サイドの焦点になる。

 一方、6月29日には米中首脳会談の開催が予定されている。5月上旬の米中閣僚級会合が物別れに終わってから、米中関係は1カ月以上にわたって悪化の一途をたどっていたが、首脳会談で通商リスクの軽減が実現するか否かが注目される。

 トランプ米大統領は、合意に至らなければ直ちに追加関税措置を発表すると警告しているが、米中関係がさらに悪化すると、工業用素材市況全体の値下り圧力が強まる可能性が高い。一方、首脳会談で一定の前進が見られれば、合意には至らなくても追加関税措置は見送られる可能性もある。首脳会談がどのような結果になるのかは市場の意見も割れているため、7月上旬のゴム相場に対するインパクトも大きくなり易い。

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