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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、円安続くも上海主導で軟化

連載 2018-05-21


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=190円水準まで小幅下落した。為替相場は円安気味に推移したが、上海ゴム市場で調整売りが膨らんだことで、5月8日の195.00円をピークに若干ながら調整売りが優勢になった。

 上海ゴム相場は1トン=1万1,000元台でのボックス相場が続いているが、同ボックス上限から下限付近まで軟化したことが、東京ゴム相場を押し下げた。高水準の在庫環境の再評価、減産期明けに向かう季節要因の影響などが指摘されている。ただ、明確な相場テーマが設定できているとは言い難く、単純な持ち高調整に過ぎないとの見方も強い。もっとも、いずれにしても上海ゴム相場は4月27日以来の安値を更新する軟調地合になっており、これが東京ゴム相場の値下がりを決定づけた。

 一方、為替市場では円安傾向が維持されている。米長期金利の急伸を受けて、ドルが主要通貨に対して全面高の展開になっており、その流れで1月23日以来の円安・ドル高水準を更新している。これが円建てゴム相場の下値をサポートしている。ただ、上海ゴム相場主導の下げ圧力を完全に相殺するまでの大きな値動きではなく、東京ゴム相場の下げ幅を限定する効果に留まっている。

 産地相場は総じて横這い状態を維持している。タイ中央ゴム市場の集荷量にも目立った変動はみられず、減産期型の底固い展開が続いている。タイ産RSS現物相場は1㎏=52バーツ前後で取引されている。ただ、減産期明けの時期が近づいていることもあり、産地主導で更に上値を打診するような動きは見られなかった。

 注目されるのは、減産期明け後の需給緩和圧力に対して生産国がどのように対応するかだが、特に新たな動きは報告されていない。タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムは政策調整で基本合意し、5月中に会合を開くとの報道もあったが、その後の動きについては確認できていない。

 買い材料としては、産地相場の堅調地合、生産国の市況対策検討の動き、原油高などを指摘することが可能である。一方、売り材料としては、減産期明けに向かう季節要因、消費国の在庫増加プレッシャーなどを指摘することが可能である。ただ、ゴム相場では明確な売買テーマを設定できず、薄商いの中で持ち高調整中心の展開になっている。上海ゴム相場がこのまま1万1,000元割れに向かうのか、それともレンジ下限の1万1,000元にサポートされてリバウンドに向かうのか、上海ゴムの新たなトレンド形成の有無が注目されている。ただ、円安が更に加速すると、東京ゴム相場が独歩高となる可能性には注意が必要である。

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