【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、リスクオンで底固い展開
連載 2018-04-23

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=180円台後半まで小幅上昇する展開になった。売買テーマが定まらない不安定な相場環境が続いているが、リスクオンの地合を背景に為替が円安方向に振れたことが好感され、円建てゴム相場は3月22日以来となる約3週間ぶりの高値を更新している。
一方、上海ゴム相場は1トン=1万元台で乱高下する不安定な地合になったが、やや押し目買い優勢の展開になった。非鉄金属主導で中国の素材市況も底固く推移する中、上海ゴム相場は3月23日以来の高値を更新している。
米中貿易戦争のリスクが低下する中、ゴム相場は下げ一服となっている。まだ実際に米中間の貿易戦争化が回避できるのかは不透明感も残されるが、中国政府は4月17日に米国の関心が高い自動車合弁への外資出資制限を見直す方針を打ち出すなど、融和姿勢を示している。トランプ米大統領もこうした中国側の動向を高く評価する発言をしており、通商リスクの織り込みを進める必要性は薄れている。
一方、ここ最近のマーケットの話題は、米国がロシアに対する経済制裁に踏み切っていることで、アルミやニッケルなどの非鉄金属の供給不安が高まっていることだ。天然ゴム需給には全く関係のない動きだが、非鉄金属相場と天然ゴムは産業用素材の同じカテゴリーの中で似たような値動きをする傾向にあり、心理的な支援材料として機能している。
産地では、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアなどで乾燥傾向が続いている。タイではソンクラン(水掛け祭り)の連休が終わったが、中央ゴム市場の集荷量は抑制されており、現物相場も高止まりしている。ただ、産地主導で消費地相場を押し上げるような動きまではみられず、産地供給環境は必ずしも重視されていない。
生産国の政策調整再開の議論に関しても、特に目新しい動きは報告されていない。5月からの輸出規制再開の議論などもあるが、現段階では少なくとも正式な合意形成は行われていない。月末に向けて、駆け込み的な合意形成が行われる可能性には注意が必要である。
ゴム需給要因に対する関心が高まらず、リスクオンの投資環境の支援をどこまで受けられるかが焦点になる。特に株高など投資家のリスク選好性が強まる局面では、円安や非鉄金属相場高などの外部環境が東京・上海ゴム相場も支援する可能性が高まる。
一方で、ここ最近のゴム相場は突然に急伸・急落する投機色の強い不安定な値動きになっており、意味なく急落する展開には注意が必要。リスクオンと言っても、マクロ需給がタイト化している訳ではない。
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