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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、産地主導の上昇圧力か

連載 2018-03-05


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=190円台前半から中盤へリバウンドする展開になった。2月入りしてからは上海ゴム相場の軟調地合や円高圧力に上値を圧迫されて一時180円台を割り込んでいたが、旧正月明け後の上海ゴム相場が強含みに推移する中、東京ゴム相場でも安値是正の動きが優勢になっている。約3週間ぶりの高値を更新している。

 上海ゴム相場は、1トン=1万2,000元台中盤で上値の重い展開が続いていたが、足元では1万3,000元水準まで上昇している。米長期金利の上昇を受けて世界的に株式相場が不安定化しており、ロンドン非鉄金属相場の軟化に連動する形で中国市場でも鉄鉱石や石炭相場などは上げ一服となっている。ただ、上海ゴム相場はこうした他素材市況の軟調地合に逆行して上昇しており、地合の強さを示した格好になる。

 従来は逆に他素材市況の堅調地合に逆行安となる場面が目立っていたが、株安・他素材市況安の環境下で上海ゴム相場がリバウンドしたことは高く評価できよう。これまでと同様に単純な「投機」の可能性も否定できないが、産地相場がじり高傾向を強める中、産地主導の上昇圧力が上海ゴム相場にも波及し始めた可能性を想定しておく必要がある。

 東南アジアでは、雨季から乾季への移行期を迎えている。2月末にかけては降水量が若干改善したが、特に季節外れの豪雨は想定されておらず、今後も乾燥気味の天候が続く見通し。

 タイ中央ゴム市場の集荷量は特に大きく落ち込んでいないが、現物相場は徐々に値上がりしている。3月1日時点ではUSSが1㎏=46.32バーツ、RSSが49.00バーツだが、1週間前の2月22日時点ではそれぞれ44.51バーツと46.74バーツである。急伸するまでの勢いはみられないが、USSは前週比4.1%高、RSSは4.8%高であり、産地からの価格上昇圧力は着実に強くなっている。このまま4~5月にかけて減産期型の上昇圧力が見られれば、東京・上海ゴム相場ともに上振れリスクが高まる。

 今季は例年と比較して価格水準が低いため、ゴム農家はイールドが低下すると早めにタッピング(樹液の採取)を停止するとの観測も根強い。

 今年のゴム相場は、上海ゴム市場の投機マネーの動向だけに左右される予測困難な地合が続いていたが、漸く産地主導の上昇トレンドが形成されるか否かが打診される局面に移行している。他素材市況との比較では、ゴム相場の値位置は依然として抑制されており、季節要因に沿う形で産地相場の上昇が続けば、東京・上海ゴム相場も一段高の可能性が高まる。

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