【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、生産国は輸出規制で合意
連載 2017-12-11


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=211.20円まで急伸した後、200円台前半まで上げ幅を削る荒れた相場展開になった。
12月入りしてから中国素材市況が突然に急伸する中、上海ゴム相場主導で東京ゴム相場も地合を引き締めた。しかし、12月5日の取引ではロンドン非鉄金属相場が突然に急落したことで、中国素材市況の流れは一気に下向きに転換し、高値からは大きく下押しされる展開になっている。
上海ゴム相場は、一時は1トン=1万5,000元に乗せたが、その僅か3営業日後には1万4,000元台を割り込むなど、引き続き投機色の強い荒れた相場展開が繰り返されている。
ロンドン非鉄金属相場が突然に急落したが、何か決め手となるような新しい材料が報告された訳ではない。一応はドル高、LME指定在庫の増加などの影響が指摘されているが、底流にあるのは中国資源需要環境に対する漠然とした不安心理であり、このまま中国素材市況の急落地合が続けば、上海ゴム相場主導で東京ゴム相場の下振れリスクも高まることになる。
一方、こうしたゴム相場の低迷状態に危機感を強めた生産国は、輸出規制の導入を決定した。タイ、インドネシア、マレーシアの三か国は、現在のゴム相場についてファンダメンタルズを反映していないとして、輸出規制を行うことで需給を引き締め、ゴム相場の安値是正を促す方針を公表した。
まだ具体的な数量や期間などの詳細は決まっていないが、12月13日に新たな生産国会合が予定されており、その場で輸出規制の具体的なスキームを決定する予定になっている。
この輸出規制は昨年3~12月期にも導入されたものであり、市況対策として一定の効果が認められている。昨年と同様に60万トン規模の輸出規制で合意できれば、生産国の論理を価格に反映する形で、安値是正の動きが活発化する可能性が急浮上している。
マーケットは輸出規制の合意形成が発表された後も特に目立った反応を示していないが、このまま輸出規制の動向を無視し続けることが可能かは疑問視される。
東南アジアではサイクロンの発生でタイ南部、マレーシアやインドネシアの降水量が増えている。一部で洪水被害なども報告されており、収穫作業への影響も報告されている。ただ、産地相場は専ら上海ゴム相場と連動して値動きを見せており、産地主導の上昇圧力は確認できない。
再び下向きに転換した中国素材市況主導の売り圧力に対して、生産国の市況対策の動きで下げ止まりを促すことができるかが問われる局面になる。
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