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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海1万4,000元での攻防

連載 2017-11-13


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=207.00円まで上昇した後、200円台前半まで上げ幅を削る展開になった。

 上海ゴム先物相場が1トン=1万3,000元台でのボックスから上振れし、9月28日以来となる1万4,000元台乗せを達成したことが、東京ゴム相場も押し上げている。ただ、その上海ゴム相場も1万4,000元台では強力な戻り売り圧力に晒されており、本格的な上昇トレンドを形成するには至っていない。1万4,000元割れで押し目買い、1万4,000元台では戻り売りと決定打を欠いており、東京ゴム相場も200円台を回復したものの上値を攻めきれない中途半端な値動きになっている。

 上海ゴム相場は約1ヵ月にわたって続いていたボックス相場を上抜けしただけに、チャート主導の急伸地合形成が警戒された。しかし、現段階では自律反発の範囲内に収まっている。極度に相場材料が乏しいだけに意味なく更に急伸する可能性も残されているが、このまま1万4,000元水準で上値の重さが確認される時間帯が続けば、東京ゴム相場も200円の節目割れから一段安を打診する展開になる可能性が高まる。

 一方、ベトナムでは4日に台風23号が上陸し、その後も豪雨によって大規模な洪水、土砂崩れといった災害が発生した。天然ゴム、コメ、サトウキビ、コーヒーなどの農産物生産に対する影響が警戒されたが、直接的な生産被害は限定された模様だ。

 ベトナム当局からは、4万ヘクタールに相当する農地が被災したと報告されており、道路など輸送インフラ面での混乱も報告されているが、マーケットは特に目立った反応を示していない。この時期は、今後も多雨による洪水被害に注意が必要だが、現段階では特段のリスクプレミアムを加算する必要性は見いだせない。

 タイ中央ゴム市場の集荷は、未燻製シート(USS)、RSSともに安定している。ただ、産地相場も専ら上海ゴム相場に連動しており、良好な集荷環境を手掛かりに価格水準を切り下げるような動きは確認できない。タイではゴム農家が、価格低迷に抗議するデモを検討中とも報じられているが、具体的な動きは確認できていない。

 相場材料が極端に乏しく、上海ゴム相場も何を売買判断の材料にすれば良いのか気迷いムードが強い。このため、投機色の強い不安定な相場環境を想定しておく必要がある。焦点になるのは、上海ゴム相場が1万4,000元水準での保ち合いからどちらの方向にブレイクするかのみであり、次の相場テーマをどこに設定するのかを待つ時間帯になっている。

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