分煙、長時間労働の削減等で成果
岡安ゴム、健康への取り組みを強化
その他 2022-07-25
岡安ゴムは健康経営に力を入れている。
同社では2019年10月に健康宣言を行い「従業員一人一人が心身ともに健康であること、また活き活きと働ける活気ある職場づくりを推進する」との健康経営方針を打ち出した。同社では、以前から従業員の健康に留意した取り組みを行っていたが、宣言を行うことで改めて健康への取り組みを強化した。
同社がまず取り組んだのが、受動喫煙を防止するための職場内禁煙、分煙の徹底だ。愛煙家でもある岡浩史社長自らが率先し、トップダウンで取り組んだ。以前はタバコを吸わない人も利用する工場内の休憩所が喫煙所スペースだったが、それを敷地内だが工場外にある以前は倉庫として利用していた建屋を喫煙所にして、社内禁煙・分煙を徹底した。
「分煙は2021年5月から実施した。これにより受動喫煙がなくなり従業員も喜んでいる。喫煙者の中にはこれを機会に、本数を減らしたり、アイコスに変えたり、禁煙しようという人も出始めている」(村山文香経営管理部係長)。
長時間労働の削減や定期健診の100%受診にも取り組んだ。「以前は時間外労働時間が1カ月100時間を超える人もいて、1カ月の平均時間外労働が24時間に達していた。そこで2年前から、残業の多い製造工程の人員を増強し、2交代制から3交代制に移管した。当社では従来からジョブローテーションを行っていたが、搬送など他の工程から製造工程に人を回すことで人員を増強した。こうした取り組みの結果、昨年は平均時間外労働が14時間に減少し、今年は12時間くらいまで削減できる見通しだ」(杉本隆彦常務取締役)。
また3年前に導入した労働時間管理システムにより、自身の時間外労働時間が把握しやすくなった。残業も申請制にしたため、だらだら残業が減少したという。
定期健診の100%受診に関しては、以前は検診バスをチャーターして会社で実施していたが、3交代制に移行したことで、検査日に受診できない人が増えたため、社員各自が近隣の病院で受診できるシステムに今年4月から変更した。これにより受診率100%を達成した。
また2次検診の受診率アップにも取り組んでいる。3年前までは25%程度だったが、その後受診を奨励した結果、2年前は75%に、昨年は83%に、今年はそれ以上の受診率になると見込んでいる。
そのほかの取り組みとしては、昨夏から熱中症対策として、ファンベストの貸与を始めた。現場作業に従事する社員から非常に好評で、寒気の厳しい冬場にはヒーターベストの貸与も行っている。
同社は女性従業員の比率が4割と高いが、育休など子育て支援も充実しており、特に育休の取得率は男女とも100%という。
こうした取り組みが評価され、2020年度に健康経営優良法人(中小企業部門)に初認定され、2022年度まで3回連続で認定されている。
健康経営推進の成果として「従業員の健康意識が高まったこと、また採用面で成果が出てきている」(同)という。
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