日本ゴム工業会(田村亘之会長=ブリヂストン取締役・代表執行役EAST CEO)は10月23日、ホテル阪急インターナショナル(大阪府大阪市)で第39回幹事会を開催した。

あいさつする田村会長

田村会長「新技術・発想を積極的に学び持続的成長へ」


 冒頭、あいさつした田村会長は、「先般ノーベル化学賞として日本から東京理科大学名誉教授の硤合憲三さんが選出された。その研究は生成物そのものが触媒となり、反応を促進していく不斉自己触媒反応(硤合反応)を世界で初めて発見したもので、硤合反応は、ごくわずかな分子の違いが自ら増幅され、やがて大きな変化へと発展していく現象と聞いている。ビジネスにおいても、変化の始まりはあまり大きなものではなく、小さな工夫や挑戦の積み重ね、我々が意識しないちょっとした変化が、やがて大きく社会や産業全体を変えていくことがあり、かなり似ているのではないかと感じている。

 ゴム業界を取り巻く環境は、原材料価格の高騰、人口減少に伴う慢性的な人手不足など大きな変化の中にある。AI技術の急速な発展がもたらす恩恵がある一方で、情報セキュリティ上のリスクも表面化している。我々はこうした様々な変化の中で事業を展開していかなければならない。

 一方で、日本経済には少し明るい兆しも見えてきている。最新の法人企業統計をみると4~6月の第2次四半期は金融・保険業を除く全産業の経常利益は、前年同期比24.6%増の44兆6,668億円と四半期ベースで過去最大を記録。製造業はAIデータセンター向けの需要拡大により同57%増となっている。また9月の日銀短観では、大企業製造業の景況感が6四半期連続で改善するなど、統計的にはポジティブな流れとなっている。

 こうした前向きな流れを一時的なものに終わらせるのではなく、持続的な成長につなげていきたい。変化を恐れずに、新しい技術や発想を積極的に学び入れていくことが重要だと考えている。

 硤合反応が示すように、小さな変化や挑戦、こういったものが積み重なることで大きな成長につながっていく。ゴム業界も自らの技術力に磨きをかけ、変化に合わせて我々自身が変わっていくこと、それが今後の成長を実現するものと考えている」と語った。

 幹事会では、ゴム製品の生産・輸出入概況報告、最近の資材動向、労務委員会関係事項、環境委員会関係事業等について報告された。