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【特集】CMB

角一ゴム工業、品質と環境の両立を図る

原材料 2017-07-27

 角一ゴム工業は、1905(明治38)年に大阪市福島区で創業された角一護謨製造所を起源とする老舗ゴム精練メーカー。66(昭和41)年に現在の角一ゴム工業が設立され、精練事業としても50年以上の歴史を有する。この間、蓄積してきたゴム精練の豊富な経験と技術をベースに、顧客の信頼に応える高品質製品を提供し続けている。

 最近の状況としては、昨年下期以降精練需要が回復傾向となったことにより同社の生産動向も上向き、今年上期までは前年同期比約10%増の月産約390トン前後で推移した。しかし最近になり、仕向け先にもよるが需要動向に一服感が出始めたことや、スポット的な案件も多いとし、今年下期以降の精練需要動向は見通せないとしている。

 不透明な需要環境を受け、同社では顧客のニーズに的確に合致した精練製品の生産及び納期短縮など顧客満足度向上に注力し、受注獲得に繋げる方針でいる。

 これら精練製品の生産ラインとして同社は3号・6号・9号バンバリーの3系列を有しているほか、22インチロール1台、24インチロール2台など充実した設備を駆使し、小ロットから柔軟に対応し好評を得ている。

 同社ではこれらラインにより、黒物の①リボン=リボンサイズ40-200ミリエンドレスリボン(広幅・帯状生産も可能)②シート=標準シートサイズ10ミリ×400ミリ×500ミリ(ユーザー指定サイズ多数あり)③精密薄物分出しシート=顧客指定の薄物分出しシートのほか色物も生産している。

 試験設備も最新鋭オートグラフのほか、キュラストメーター2台、赤外線水分計、ムーニービスコメーター3台、マイクロスコープ、硬度計3台、高・低電気抵抗率測定器などの試験機器のほか、試験プレスやロールなど充実しており、検査データは一目で判別可能な傾向管理を行っている。さらにこれら機器を活用したサンプル提供や、配合設計提案を行うオープンラボシステムも導入している。

 これら機器を活用して生産される同社製品は、02年4月取得のISO9001及び05年10月取得の14001に則り、地球環境保全と汚染予防に配慮しつつ高品質な精練製品として生産され顧客に提供されている。

 特に環境保全に注力しており、14年3月に災害時のオイル漏洩対策として、屋内タンク防油堤の高さを法令基準の0.2m以上となる1.4mにし、貯蔵オイル全量を収容可能とした。さらに改正消防法に合わせ、土壌汚染未然防止のため老朽化したタンクを15年9月に廃止し、今後オイルタンクが必要な際は、地下ではなく地上に設置する方針。

 この様な同社の安全管理体制が評価され、危険施設の安全管理に関して14年6月13日付で神戸市長から表彰状が授与された。
 さらに社員などの生命を守るため、AED(自動体外式除細動器)を15年1月16日に設置し、後日社員教育を実施するなど、地域への貢献にも積極的に取り組んでいる。

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