【特集】CMB
ゼオンポリミクス、諸活動で工程異常を徹底排除
原材料 2017-07-27
ゼオンポリミクス(ZPI)の状況としては、昨年下期、特に10月以降は需要が上向いたことにより、同社の精練生産量も増加傾向で推移した。今年に入っても生産動向は比較的堅調に推移し、4-5月頃までは予算対比で数%の増加となった。しかし6月頃から需要動向に一服感が出始め、需要先やゴムの種類などにより2系列あるラインの稼働状況に変動がみられるのが現状となっている。需要がこのまま盛り上がりに欠ける状況で推移すれば、下期の生産動向は不透明としている。
なお同社では、この需要動向を改めて足元を見直す好機と捉えており、繁忙期では難しい生産設備などの点検やメンテナンスに注力している。
一方、日常的な設備保全の方策としては、「人センサー活動」として「ぶらぶらタイム」と「ついでに保全」とネーミングされた活動を主体に展開している。「人センサー活動」は、監視機器による設備稼働状態のチェックに加えて、現場作業員を始め設備管理課員が生産現場において目視や聴力さらには機器に触れるなどにより、生産設備が正常稼働しているか、あるいは異常がないかを人間が五感をフル活用し、文字通り「センサー」となって確認する活動となっている。これにより、機器が故障する前の予兆段階で異常を発見し対処するため、故障の発生による設備ダウンタイムを削減することができている。
「ぶらぶらタイム」は、設備管理課員が手の空いた時間に生産ラインの周辺を歩き回ることで、設備異常の有無を知る活動となっている。また生産ラインでは、定期的な点検時間には異常無かった機器も、稼働中に操業員が異常を検知する場合もあり、同活動は操業員からの情報収集するのにも役立っている。
また、「ついでに保全」は、設備管理課員が機器の定期的な点検のついでに、振動などで機器のボルトの緩みや油切れなど、点検個所以外の不具合を見つけ、その場で修繕する活動となっている。
これら一連の活動実施の結果、大掛かりなトラブル発生は殆ど無くなっているほか、従来はベテラン作業員による経験や勘でしか感知が難しかった異常も、若手でも判別可能となるなど技術の伝承も実現している。加えて、設備管理課員が修理や点検の手順を操業員に現場で示すことで、操業員への設備管理の教育にもなっている。
なお同社では、大津工場は国内対応のほか、ZAP(タイ)及びZPG(中国広州)、SZ(中国上海)の各海外拠点への技術支援などを行うマザープラントとして、各拠点への人材育成や技術的支援などを実施している。その一環として、ZAP及びZPG、SZの現地駐在の生産管理技術者や現地技術スタッフと、大津の生産管理技術者を交えた「CM技術担当者会議」を開催しており、今年も6月13-14日に大津で開催した。
今回は各拠点の課題や問題点を再度洗い出し、各拠点の共通課題として、工程異常削減に関しての取り組みや解決策などが議論され、異常を排除し、製品品質などを均一化するための方策などが議論された。
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