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【特集】CMB

寺﨑ゴム工業、高品質と短納期提供に注力

原材料 2017-07-27

 寺﨑ゴム工業は、卓越したゴム精練技術力を積極活用し、黒物専用の本社工場(茨城県猿島郡境町)、色物専用の坂東工場(同県坂東市)でNR、NBR、SBR、CR、アクリルゴム、BRなどのA練り・B練り・分出し・リボン出し、各種試験練り、色物練りなど顧客のニーズに合致した高品質品を生産している。

 生産設備として両拠点に加圧型ニーダーDX150-335型・SPM-200型及びSPM対応シート製造装置一式、加圧ニーダーDX75-150型1基、22インチロール1基、シーティング用14インチロール及びバッチオフ一式、55リットルニーダー、16インチミキシングロールなど充実した設備を有している。これら生産された製品は、本社工場試験室の試験ロール、引張試験機、比重計、ムーニー粘度計、キュラストメーターなど各種機器で厳密に試験され、ISO9001認証に則った世界標準の品質基準製品として顧客に提供されている。

 これら設備を活用した最近の生産状況は、昨年下期、特に9月以降に自動車用及び建物・橋梁用部材向けと推測されるSBRやEPを主体とした練り案件などが入ったことで生産量は上向き傾向に。今年上期まではそのまま比較的堅調に推移し、量的にはA練り約210トン、B練り同0.5トン、シート出し同1.5トン、特殊練り同2トン、リボン出し同50トンなど、トータルで月産260トン前後となった。しかし同社ではスポット的な案件が大半を占めているとみており、今後の本格的な需要回復に繋がるかは不透明としている。このため、今後の生産量に関しては横ばいでの推移を見込んでいる。この現状を打破するため、同社では高度な精練技術に基づく高品質製品を短納期で提供可能な体制を有することなど、自社の長所を顧客に積極的にアピールし、受注獲得に繋げていく方針でいる。

 同社では、変動する需要環境や顧客ニーズへのより的確な対応を目指し、生産設備更新や増設を積極的に実施している。生産設備に関しては、主電動機モーターを高効率で省エネ効果も発揮するACモーターへの更新を順次進め、15年には完了した。さらに試験室も増築し引張試験機を2-3台体制としたほか、ムーニー粘度計、加硫試験機、比重計など設備充実を図っている。さらにテスト用8インチロールなどの導入により、顧客から物性確認などが現場で迅速にできると、好評を得ている。これに加えて本社工場の75リットルニーダーを最新鋭機種に更新し、昨年1月から本格稼働している。 さらに坂東工場の16インチニーダーの更新や原材料投入用ホッパーの取り付けなどを行った。これに加えて本社工場の資材保管場に遮光性シートの屋根を設置する工事を進め、昨年12月に完成するなど、設備投資を継続して実施。一層の生産性や品質向上などによる顧客満足度アップに努めている。

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