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【特集】CMB

角一ゴム工業、生産量は微減で推移

原材料 2016-12-07

角一ゴム工業は、1905(明治38)年に大阪市福島区で創業された角一護謨製造所が起源の老舗ゴム精練メーカー。66(昭和41)年に現在の角一ゴム工業が設立され、今年で設立50周年を迎えた。この間、蓄積してきたゴム精練の豊富な経験と技術をベースに、顧客の信頼に応える高品質製品を提供し続けている。

 最近の状況としては、秋の需要として案件が入り生産量は前年同期比約4%増の月産約370トンで推移しており、販売額も微増している。しかし同社では、これをスポット的な需要としており、このまま精練需要の本格的な回復に繋がるかは判断できないとし、今期17年2月期売上高は前期比約3%減と予測している。

 厳しい需要環境を受け、同社では顧客のニーズに的確に合致した精練製品の生産及び納期短縮などにより顧客満足度の向上を図り、受注獲得に繋げる方針でいる。

 これら精練製品の生産ラインとして同社は3号・6号・9号バンバリーの3系列を有しているほか、22インチロール1台、24インチロール2台など充実した設備を駆使し、小ロットから柔軟に対応し好評を得ている。

 これらのラインでは、黒物の①リボン=リボンサイズ40―200ミリエンドレスリボン(広幅・帯状生産も可能)②シート=標準シートサイズ10ミリ×400ミリ×500ミリ(ユーザー指定サイズ多数あり)③精密薄物分出しシート=顧客指定の薄物分出しシートのほか色物も生産している。

 試験設備も昨年3月に更新した最新鋭のオートグラフのほか、キュラストメーター2台、赤外線水分計、ムーニービスコメーター3台、マイクロスコープ、硬度計3台、高・低電気抵抗率測定器などの測定機器のほか、試験プレスやロールなど充実している。これら機器を活用したサンプル提供や、配合設計提案を行うオープンラボシステムも導入している。

 さらに原材料計量機器も昨年に更新するなど、トレーサビリティ充実も図っている。

 これら機器を活用して生産される同社製品は、02年4月取得のISO9001及び05年10月取得の14001に則り、地球環境保全と汚染予防に配慮した高品質な精練製品として提供されている。

 特に環境保全に注力しており、14年3月に災害時のオイル漏洩対策として、屋内タンク防油堤の高さを法令基準の0.2m以上となる1.4mにし、貯蔵オイル全量を収容可能とした。加えて改正消防法に合わせ、土壌汚染の未然防止のため老朽化タンクを昨年9月に廃止。今後オイルタンクが必要な際は、地下ではなく地上に設置する方針でいる。

 これら一連の安全管理へ取り組む姿勢が評価され、企業防災に対して14年6月13日付で神戸市長から表彰状が授与された。

 また社員などの生命を守るため、AED(自動体外式除細動器)を15年1月16日に設置し、社員教育を実施するなど、地域への貢献にも積極的に取り組んでいる。

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