DX活用し、化学品物流の標準化・効率化を目指す
三菱ケミカルグループ・三井化学、両社の共同物流に向けた検討を開始
原材料 2023-01-30
三菱ケミカルグループおよび三井化学は、社会・産業の基盤である化学品物流の標準化・効率化に向けた共同検討を開始した。両社は早期に着手可能なテーマを2022年度内から段階的に実行し、同様の課題を抱える化学業界の物流分野において、会社の枠を超えて横断的な取り組みをリードしていく。
近年、新型コロナウイルスの拡大や自然災害の多発を背景に、安定したサプライチェーン構築の重要性が広く認識されるようになっている。こうしたサプライチェーンを支える物流業界は、小口貨物を中心とする消費財物流が増加する一方で、ドライバーや船員の高齢化、人手不足を背景に、逼迫した状況が続いている。さらに「物流の 2024 年問題」も加わり、将来における物流の輸送・保管能力不足は、両社の事業運営にとって、極めて重要な課題の一つとなっている。
■2022年度内から検討、段階的に実行していくテーマ
①中京エリア内および他エリア向けの共同輸送=両社の事業所・工場が立地する中京エリアで出荷製品を集約し、同エリア内および他エリアへの輸送を共同化する②輸送ネットワークの相互活用=主に中小口貨物について、三菱ケミカルグループの西日本~関東エリアの輸送ネットワークと、三井化学の東北エリアの輸送ネットワークを相互に活用する③内航船の共同利用=ケミカルタンカー(液体化学品輸送船)の貸し借りおよび積み合せを行い、積載率向上、BCP確立を図る④輸送ルート・マッチングツールの活用による共同物流案件の拡大=貨物と車両の最適な組合せ(マッチング)を両社での試験運用から開始し、将来的には多数企業とのマッチングへ展開する。
また、共同物流の推進に不可欠となる、化学業界における物流の標準化・情報基盤整備に関しても、両社がともに参画しているSIP地域物流ネットワーク化推進協議会の活動を通じて、国、自治体および業界団体等と連携しながら取り組む予定。
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